「人生100年時代」を過ごすうえで欠かすことができないのが健康です。「歯やお口」の健康維持が介護予防の根本といえます。
そこで今回は「歯やお口」の健康を末永く守るうえで知っておきたい「在宅歯科医療地域連携室」とその利用方法などについて、海老名市歯科医師会の盛田健司会長にお話を伺いました。
Q.海老名市歯科医師会が運営している「在宅歯科医療地域連携室」とは何でしょうか?
A. 国が推進する「地域包括ケアシステム」の実現に向けて、神奈川県と神奈川県歯科医師会が各地に設置している、市民の皆様と歯科診療所、病院、ケアマネ等をつなぐシステムです。歯科医院への通院が困難な方に訪問歯科診療を行う歯科医院をご紹介もします。
「地域包括ケアシステム」は、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、お住いの地域の様々な分野の支援やサービス提供体制を構築する取り組みだといえます。私たちが担う歯科医療の分野でも、こうした在宅医療の体制整備が進んでいます。
Q.訪問歯科診療をしてもらいたいと思った人は、どこに相談すればいいのでしょうか。
A. 海老名市民の方は、海老名市在宅歯科医療地域連携室(下記)に電話を頂ければ担当者が丁寧に説明します。日程を調整して歯医者さんや歯科衛生士がご自宅へ伺い、お口の困りごとに対処します。原則として健康保険が適用され、場合によっては介護保険も利用できます。他地区の方はお住まいの地域の連携室をご利用ください。
Q.歯科に関するどのような悩みを相談すればよいのでしょうか。
A.「むし歯」や「歯周病」はもちろん、「歯やお口のケガ」「口腔がんなどの腫瘍」「口臭」「顎関節症」「舌痛症」「口内炎」など色々な疾患があります。少しでも気になることがあれば遠慮なく電話をください。
Q.健康長寿の秘訣に「歯」がかかわっていると聞きますがその理由を教えてください。
A.日本歯科医師会で提唱する「80歳で20本以上の歯を保つ」ために呼びかける取り組みに「8020(ハチマルニイマル)運動」があります。今では国民の半数以上が達成しています。健康な「歯」がある人は自分の歯で食べることができるため、低栄養になりにくく、歯の健康が元気で長生きできる条件の一つと言われます。
神奈川県では健康寿命を延ばすため「食」「運動」「社会参加」 を3つを柱に「未病を改善する」取組を進めていて、そのうち「食」について「オーラルフレイル(お口の虚弱)」を防ぐことを県歯科医師会と進めています。海老名市では「オーラルフレイル健診」を実施して在宅要支援の予防にも力を入れていますのでぜひ参考にしてみてください。