小田急線新松田駅・JR御殿場線松田駅から徒歩で5分ほどの場所にある松田町立松田小学校。このほど公立では全国3例目となる木造3階建ての新校舎が完成しました。校舎の一部には町有林から伐採した木材も使われていて、森林面積が町全体の面積の約75%を占める松田町らしい、町のシンボルとなる校舎です。工事期間中の外観・内部見学に続き、完成した建物の魅力を紹介していきたいと思います。
▼建設途中がわかる!工事現場潜入レポート
木のあたたかさ、随所に
太い丸太や角材を組み合わせたもの、昔なつかしの和風建築…、皆さんは木造と聞いてどんな建物をイメージするでしょうか。
- 取材メモ 松田小を見て最初に感じるのが、木造の可能性でした。木造とは、構造体が木材でできているものを言うそうですが、当然ながら出来上がった段階で中は見えないため、「これが木造なの?」と驚くようなデザイン。
木だからこそできるのかもしれませんが、設計技術の進歩もあるでしょう。それでいて、随所に木の温かみを感じられる仕掛けがちりばめられていて、居心地がよさそうです。
アイデア広がるオープン教室
教室は通常より広い、横長のオープン型。とっても新鮮です。廊下側はもちろん、隣教室との仕切りも必要に応じて開放できるので、換気がしやすいのはもちろん、アイデア次第でさまざまな授業展開や学びのスタイルが可能になっています。
同じフロアで廊下を挟んだ教室同士を全て開放すれば広大なスペースが生まれるので「何かできそう」とワクワクします。
- 取材メモ 使い方を想像するだけで楽しい感覚、分かりますか?光もよく入るので、日中も明るく、そして室内は温かく感じます。
たくさんの機能を備えた公共施設
学校なので児童の学びやすさが一番ですが、採光や通風など良好な室内環境、誰にでもやさしい内部構造などは松田町が掲げるSDGsの考え方「誰ひとり取り残さない!笑顔あふれる幸せのまち 松田」が生きています。
- 取材メモ これは、町にとって学校が身近な地域の防災拠点であり、地域活動拠点でもあるためです。これからこの場所でさまざまな交流がうまれていくのです。
手を加え、思い出を刻み、育ち続ける―
よく木は育つと言われます。学校の中で生き続ける木材は子どもたちや地域住民たちによって使われ、磨かれその深みを増していきます。
松田町では今後、駅周辺の整備も進められていく見通しです。この学校はまさにそのコンセプト通り「松田と共に育つ 新しい学びの樹」となることでしょう。