神奈川大学みなとみらいエクステンションセンター<KUポートスクエア>では、奈良・平安の王朝時代を専門とする歴史民俗学者で神奈川大学でも教鞭を執る繁田信一氏が、王朝時代をテーマに複数講座を2007年頃から展開しています。
- 幅広い年代の方が約15年で2300人超が受講してきた繁田氏の講座の人気の秘密に迫ります!
様々な切り口から見える「王朝時代のリアルな姿」
王朝時代と聞くとどのような時代を思い浮かべるでしょうか?多くの人は源氏物語のような華麗・豪華絢爛のイメージを持たれているかと思います。ただ繁田氏によると今昔物語集などを覗いてみると、泥臭い現実も見えてくるといいます。たしかに、よく考えてみると貴族だけで世の中は成り立ちませんよね。「どっちが本当のその時代なんだろう?王朝時代のリアルとは」ということを提起したいと繁田氏は話します。
王朝時代について解説する講座は、全国的に実はあまり多くないそう。というのも、歴史学では戦国や幕末から明治にかけてが人気なため、王朝時代に焦点を当て、学びを深められる講座はとても貴重といえます。
開講当初は、王朝時代の中でも「平安京で暮らす庶民」や隆盛を誇った貴族・藤原氏について解説していました。講座の回数や年月を重ねるに連れ、王朝時代を多角的な視点で見るために、『蜻蛉日記』や『枕草子』、『源氏物語』などの文学作品や天皇・貴族の日記から王朝時代を読み解く講座はもちろん、王朝時代の僧侶や武者について、当時の「もののけ」や「まじない」といったいわゆる迷信はどんなものだったのか、などテーマは徐々に広がってきました。
繁田氏の講座には、仕事で定年を迎えられた方や主婦の方で歴史・平安文学好きが多く集まるといいますが、受講生の間では読書や旅行でも学んだ知識が役に立つと評判とのこと。繁田氏は「奈良や京都旅行で歴史にゆかりのある場所を巡る際、ガイド代わりにもなりますよ」と呼びかけます。
「源氏物語について深く知りたい」との思いから受講するようになった生徒の方は、「文学作品以外に、歴史学の観点からも王朝時代の詳細に迫れる非常に貴重な講座。繁田先生は研究成果を歴史に詳しくない私たちでも分かるように丁寧に教えてくれるので、新たな発見も多く受けていて楽しいです」と話し、「知識欲があって、日本の歴史の深いところまで知りたい人にはオススメです」と受講を考えている方へのメッセージも頂きました。
2022年秋以降も別視点の新講座を開講予定という。受講の申し込みは電話(045-682-5553)かファクス(045-682-5554)、または1000円割引となるインターネットから。
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