この物語は、毎月1回、2022年7月から10月までの4回にわたる連載です。
湘南こども園のルーツ・将来を見据えた「目指す保育」・各種方針・特別保育など、湘南こども園のすべてが分かる内容です。
正しいしつけ
理事長の私が幼児教育を始めた原点は「しつけ」です。幼児期にしつけを身に付けることの重要性を痛感したからです。しつけは理屈でなく習慣化し知らず知らずのうちに身に付けることです(大きくなると注意しても直らない)。
しつけといっても色々あります。挨拶、お礼、報告、相手を思いやる(気遣い)、返事をする…。一口で言えば日常生活における言動です。経営する会社でもやかましくしつけを教えています。礼儀、他者への思いやりなどのしつけができたら、人間関係もうまくいくし、会社での仕事もスムーズにいくと感じています。犯罪も少なくなり、戦争もなくなるかも知れません。
令和4年度はこの「しつけ」について、保育専門の大学教授2名を含む研究プロジェクトを立ち上げました。ここでは色々な環境で育った園児に対して「効果的なしつけの方法」を開発して、実践していきます。
Ⅰ研究プロジェクト
今まで「しつけ」については評判を頂いていますが、経験的に展開してきたのを学問的にしつけの理論を確立し、誰でもしつけ教育が安定的に高い成果を得られる保育手法を導き出すことにあります。さらにこの手法の検証を行い、期待成果を確認していきます。
Ⅱ期待成果
今まで展開してきた経験的要素を定性化・定量化して、誰でも安定したしつけ保育ができる、ということを期待成果に位置付けます。
Ⅲ研究内容
1.まず、保育士が考えるしつけ、保育の中のしつけ調査
2.上記から保育士のしつけ行動に影響する保育上の特徴(要因)、保育環境の特徴把握
3.上記調査で、保育士の「しつけ行動が子どもにどう影響するかを研究
4.保育プログラムの開発とパイロットスタディ(しつけの仮設理論)
5.保育士への実践指導
※研究メンバー
●正栄学園理事長 林正幸 保育事業40余年
主な経歴・・ふじ幼児園35年経営。湘南保育4園経営 NPO科学探検隊理事長。株式会社テクノシステムズ 代表取締役社長。林財団 理事長●学校法人副理事長 原内麻衣子 保育経験20年
主な経歴・・寒川湘南保育園長●湘南こども園 園長 田中一也 学校教育歴40年
●正栄学園 名誉理事長 林栄 保育歴40年
主な経歴・・ふじ幼児園長 寒川湘南保育園長 つきみ野湘南保育園長・前理事長●桜美林大学 総合研究機構特任教授 奥田訓子(学術博士)
博士論文…「福祉専門者の職務遂行過程において、お互いの「支援観」を共有し合うコミュニケーションがチームワークを高め、バーンアウト(燃えつき症候群)を抑えるモデルを確立した。このモデルは、施設種別(高齢者施設・障害者施設・保育園)によって、バーンアウトを抑えるのに有効なコミュニケーションの特徴も明らかにした」。その他論文及び著書他多数。
●帝京科学大学 教授 尾野明美(学術博士)
博士論文…「レジリエンス概念を適用し、乳児期・児童期の母親の子育てにおける心理を明らかにし、これによりストレス対処が適切になり、子育てにレジリエンスの有効性を明らかにした」。その他論文及び著書多数。
※レジリエンスとは…心理学における「回復力」「弾性(しなやかさ)」を指し、己に不利な状況において自身のライフタスクを対応させる個人の能力と定義される
レジリエンスは今後の大きな課題になります。
○次回は9月30日公開予定
※本文に関心のある方は理事長が骨子をお話しします(090-3573-4666)。
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