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<取材レポ>「8月最後の日曜日」に茅ヶ崎で花火が上がるその理由とは?

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約170発が夜空に打ち上げられました

 8月28日午後7時。カウントダウンとともに、茅ヶ崎市内の海岸の一角から次々と花火が上りました。約170発、時間にして10分足らずのこの小さな「花火大会」は2022年で25回目。当初から打ち上げを続ける花火師の男性(56)に話を聞きました。

仲間の事故きっかけに

 25年前の夏。男性と同じ神輿グループの後輩が海の事故によって23歳の若さで亡くなりました。

 その年の8月最後の日曜日、男性は玩具店でありったけの花火を買い込み、友人たちと事故のあった海岸で火を付けたそうです。その時の気持ちを「彼が空から花火の輝きを見てくれたらいいな、と思って」と振り返ります。

 翌年も同じ時期に花火を打ち上げた男性。すると「せっかくならもっときちんとした花火を」という気持ちが沸き上がったそうです。

 翌年には花火の打ち上げに必要な資格を取得。「湘煙火工」というグループを作って知人らからも協賛を募り、本格的な打ち上げ花火を上げるようになりました。男性は「台風で延期にした時も1発だけ上げて『8月最後の日曜日』にこだわってきた」と言います。

 やがてこの「花火大会」は、地域でも知る人ぞ知る存在に。告知など一切していないにも関わらず、多くの人が見物に訪れるようになりました。この日も打ち上げが終わると多くの人から「ありがとう」の声が。

 打ち上げを続けるうち男性の心境にも変化が生まれました。「最初は仲間のためだったけれど『今年亡くなった両親のために打ち上げて』と協賛金を持ってくる人がいたり、コロナ禍以降は『どこにも遊びに行けなかったけれど、いい思い出になった』『元気をもらえた』と子どもたちが言ってくれることも増えました。花火ってそういう特別な力があるものなんだね」

 最近、男性の次男が花火打ち上げのための資格を取得し、長男も来年の取得に向けて準備を進めているのだとか。「喜んでくれる人がいる限り続けていきたいですね」と笑顔を見せました。

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住所

神奈川県茅ヶ崎市

公開日:2022-09-12

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