グリーフケアカフェmāmā(あかり)
大切な人との死別後などに心身に生じる苦痛「グリーフ(悲嘆)」。このつらさに少しでも寄り添いたいと、専門家らがグリーフケアカフェmāmā(あかり)を立ち上げた。同じ境遇の人同士で語り合い、耳を傾ける場を設けることで、悲しみを和らげ、新たな一歩を踏み出すきっかけに―との思いを込める。
死別や離別、ペットとの別れなど、グリーフの要因はさまざまで、抱える心の傷や体に出る反応も人それぞれ。しかし、相談先が見つけられず、苦しみを抱え込んだまま生活を送っている人も少なくないという。
「看護師」國富多香子さんと「傾聴カウンセラー」伊藤れいこさん
そんな悲しみが癒えずに苦しんでいる人に寄り添いたいと、看護師の國富多香子さんと傾聴カウンセラーの伊藤れいこさんが、川崎市内で支援活動を始めた。ハワイ語で「灯り、和らげる」を意味するmāmāと名付け、「暗闇にいても心に小さな灯りをともせたら」との思いを込めた。2人ともグリーフを感じた経験者で、日本グリーフ専門士協会の会員として、これまでに悩みを抱える多くの人と対面。國富さんは仕事で患者を看取ってきた中で、「ご遺族がその後どうしているのか、いつも不安になる」と心中を明かす。また、グリーフは周囲から理解されづらいため、誰にも打ち明けられず塞ぎ込んでしまうケースも多いという。「まずは話に耳を傾け、思いを分かち合って、伴走していけたら」と伊藤さん。
対面は11月から
9月にはオンライン形式の会を初めて開催。自死の遺族ら4人が参加し、「最愛の人を亡くし20年以上経つが話せて良かった」などの声もあったという。今後は、2人のゆかりの地である川崎を拠点に、対面でも活動していく。「事件の被害者もいれば、家族同然のペットとの別れから立ち直れない人もいる。守秘義務を守り、ありのままを受け止めていきたい」としている。
対面での会は今後、11月19日(土)、12月3日(土)、23年1月21日(土)、午後5時半から7時まで、中原市民館(新丸子東3の1100の12)で開催予定。1回最大5人まで、参加費千円(会場代・資料代など)。活動は同協会とも連携しパンフレットを作成。病院や介護施設、葬儀社などに配布し、必要な人に呼び掛けていきたいとしている。
問合せはメール(grief.mama@gmail.com)で。ウェブサイト【https://griefcare-mama.hp.peraichi.com/】。