いよいよ4年ぶりの開催が迫った浜降祭。今宿の松尾大神では、神輿を担ぐ「練習会」が佳境を迎えています。関係者は「4年間のブランクを埋めるとともに、地域間のつながりを増やし、茅ヶ崎全体の盛り上げにつなげたい」と話しています。
6月24日午後7時。神社に続々と人が集まってきました。今宿松尾大神神輿保存會(中里康則會長)は例年、祭を前に5回の練習会を行ってきましたが、コロナ禍のブランクを考慮して今年は4月から全10回を企画。この日は8回目の練習会となりました。
掛け声と甚句に合わせて練習用の神輿を担いだ参加者たち。汗を拭いながら「やっぱり神輿はいいなあ」とつぶやく人もいました。
同神社に神輿ができたのは1978年。捩(もじ)り(担ぎ棒と神輿を固定するさらし)を中島に、担ぎ方を柳島に習ったことから、それぞれと同じ古典的な担ぎ方と、「どっこい、どっこい」ではなく「よいよいと」の掛け声を採用しています。四方に付けられた鈴が同時に舞って鳴るのが、きれいに担げている証拠だといい、同會員は「回を重ねるごとに良くはなっているが、満足はできない。より良くするため研究と練習の繰り返し」と、何度も神輿を上げていました。
交流広げ、「浜で会おう」
町内にはここ数年で移住してきた人も多いが、「祭の参加の仕方がわからない」という人が少なくありませんでした。そこで同會の沼田功さん(27)は「4年ぶりだから盛大にやりたい。参加の後押しを」と練習会のチラシをポスティング。これをきっかけに参加した人も多いといいます。今回初参加するという人は「神輿をきっかけに地域に輪が広がり楽しい」と笑顔を見せていました。また地域を越えての参加も自由で、この日は南湖から来た人も。中里會長は「神輿は一人じゃ上がらない。『浜で会いましょう』を合言葉に、地域間の交流が広がれば、浜降がより楽しくなる」と開催の意義を語っていました。