featureBanner

茅ヶ崎・藤沢の働くママ2人が絵本作家デビュー!『もぐちゃんず』を出版した、ほそのみきさん・すぎもとしょうこさん【特別インタビュー】

シェアする
茅ヶ崎・藤沢の働くママ2人が絵本作家デビュー!『もぐちゃんず』を出版した、ほそのみきさん・すぎもとしょうこさん【特別インタビュー】
イラスト担当のほそのみきさん(左)、ストーリーを手掛けたすぎもとしょうこさん(右)

2023年秋、茅ヶ崎と藤沢に住む2人のママがタッグを組んで、絵本作家デビューを果たしました。インタビューのために、待ち合わせのカフェに到着すると、生後4カ月の赤ちゃんを抱いたママがいてびっくり!ともに「働きながら子育てに奮闘する2児のママ」とは聞いていましたが、まさかこんな乳児がいるとは…。全国出版された絵本『もぐちゃんず』(みらいパブリッシング)が誕生するまでのお話を聞いてきました。

森の地下でレストランを営むモグラたちが、ハプニングを明るく解決していく姿をユーモラスに描く絵本『もぐちゃんず』。歌あり、笑いあり、「ズコー!」とオチありの子どもも大人も楽しめる同作を手掛けたのは、藤沢市在住の杉本翔子さん(31)と、茅ヶ崎市在住の細野未貴さん(39)です。コピーライターとしてテレビCMを制作してきた杉本さんがストーリーを、広告会社勤務で絵やグラフィックデザインが得意な細野さんがイラストを担当しました。

「息子の絵本を自分の手で」

第1子出産後に子育てイベントで出会い、ママ友として交流を深めていた杉本さんと細野さん。

事の始まりは2021年夏。互いに2歳の男の子を育てる中、杉本さんが「息子たちのために、一緒に絵本を作ってみない?」と、細野さんに声を掛けたことがきっかけでした。

「初めての子育てに悩むこともありましたが、息子と一緒に絵本の世界に入り込むことが楽しくて。自分でも絵本を作れたらいいなと思ったんです」と杉本さん。一方の細野さんは、実は当時、第2子妊娠中だったそう。「最初はびっくりしましたが、『楽しそう』と思ってすぐに返事をしました」

処女作で「第8回絵本出版賞優秀賞」を受賞

2人は「せっかく作るなら締め切りがあった方がいいよね」と、絵本コンテストへの応募を前提に制作をスタート。

子どもの寝かし付け後や仕事・家事の合間を縫って、3カ月足らずで仕上げた絵本は、第8回絵本出版賞優秀賞に輝きました。受賞作『ぶーたんのしりとり』は、ことば遊びを題材とした子ブタの兄弟の心温まるエピソードです。

全国出版に向け、編集者と話し合いを進める中、3歳児にはやや難しいのではという指摘があり、内容を改めることに。ストーリーやキャラクターを何度も見直し、細部までこだわり抜き、2023年秋、4作目にしてようやく出版にこぎつけました。

「本気で楽しみながら」2年越しに出版

仕上がった『もぐちゃんず』は、主人公がこれまでの子ブタからモグラになるなど、キャラクターも一新!

「一度、主人公の子ブタを忘れて、物語をもっとシンプルにしてみようと、思い切って変えてみました。そしたら、出版社の人にもすごく良くなったと言われて。ここに至るまで時間が掛かりましたが、『絶対にこれだ!』と一気に詳細を詰める作業になりました」

絵本への反応や感想は、子どもたちの年齢や性格によってさまざまだったそう。保護者からは「第2弾が読んでみたい」との声も上がっています。

細野さんは「やればやるほど、自分のイラストも進化したり、結婚・出産後はモノづくりの機会が減っていたので、こんなに本気になってモノづくりに取り組めて、とても楽しかったです。仕事や家事などに追われて、子どもと過ごす時間が少なくなりがちですが、『もぐちゃんず』が親子で楽しく過ごすためのきっかけになればうれしい」と微笑みます。

一方の杉本さんは「当初から自分たちが楽しみながら、最後まで本気でやり遂げようということを徹底していたので、作品を通じてそんなことが伝わればうれしいです。子育てをしていると、余裕が無かったり、ついイライラしてしまうこともあります。作中に登場する『〜してるんかーい!ズコー!』というフレーズは、例えば『あっ、ママ忘れ物しちゃった』『忘れ物したんかーい!ズコー!』みたいな感じで、何か失敗があっても笑いに変換できたり、子育てを気楽にする力があると思います。子育てや普段の生活の中に取り入れる使い方も提案できたら」と話します。

2人は、「作品や読み聞かせイベントを通じて子育て支援がをしたい」と、各所でイベントも企画・開催しています。

#ちがすき記者、5歳の息子に読み聞かせしてみたら…??

インタビュー後、早速、#ちがすき記者の5歳の息子に読み聞かせをすることに。帰り道、カバンの中から目ざとく絵本を見つけられ、「モグラ、よんで。よんで」と食いついていました。

普段から絵本が大好きな息子は、1ページ目のレストラン全体のイラストから夢中に。目を輝かせながら細かい描写に反応していました。

「あっ、ピザだ」「そうじしてるね」「サンドウィッチで見えない見えない(ゲラゲラ笑)」

その後のページでも、「ママはどの料理が好き?」「ぼくは、これと~これっ!」「あ、オムライスにモグラがいるよ。お布団かぶって寝てるみたい」などと読み聞かせの途中でも、どんどん会話が生まれます。

5歳の息子は、まだ文章は読めませんが、楽しいイラストにあっという間に夢中に

そして、『~してるんかーいっ!ズコー!』というフレーズのところでは、大爆笑。一緒になってツッコミを入れていました。

もぐちゃんずの歌にも合わせて「もぐっと。もぐっと~。」と口ずさんだり、数いるモグラの中から「あっ、このモグラさぼってるね」などと細部まで楽しんでいました。

そして、この日一番の爆笑だったのが、ぶたおさんの部屋の壁にかざってある額縁のフレーズ。食べることが大好きなぶたおさんらしいオチが書かれてあって大笑い。「もういっかい」「もういっかい」と同じフレーズを読まされました。

結局、その日は合計4回も読み聞かせし、その都度、違う箇所に反応していました。読み聞かせている側も、文章のリズムと楽しいイラストが相まって、とても楽しい時間になりました。何よりも、子どもと楽しい会話が生まれる絵本だなと感じました。ぜひ、みなさんも絵本の読み聞かせを通じてお子さんとの楽しい時間を過ごしてみて下さいね。

『もぐちゃんず』

著者 すぎもとしょうこ・ほそのみき (2023年10月24日 みらいパブリッシング発行)

価格 1,499円(税込)  全国書店やオンラインで販売中。

B5判変型 32ページ 上製 オールカラー 対象年齢は3歳〜

作・すぎもとしょうこ

早稲田大学卒。湘南在住。二児の母。
テレビ局勤務を経て、電通入社。
コピーライターとしてテレビCMなどを作っている。
出産を機に、我が子に自分の作った絵本を読んでほしいと
絵本制作を始める。第8回絵本出版賞優秀賞受賞。

絵・ほそのみき

青山学院大学卒。
アパレル、デザイン会社を経て、広告会社にて広告に携わる。
イラスト、グラフィックデザインなど。
ママ友からの誘いがきっかけで絵本のイラストを描き始める。二児の母。

#ちがすきトップページはこちら

住所

神奈川県茅ヶ崎市

問い合わせ

もぐちゃんず 公式Instagram

公開日:2024-01-16

関連タグ

同じ特集の記事