これは、2024年の夏、タムウッドのサマーキャンプに参加する小6のお嬢さんとお母様の奮闘をご紹介するコラムです。2024年の3月スタート。リアルタイムでコラムは進行していきます。「いつかは、、、」と参加を検討中の皆様は、是非参考にしてみてください。(原稿は随時追加)
体験記。スタートはこちら
出発当日<その1>
念には念を入れて荷物の最終チェックをした後、自宅でいつも通りの朝食を。今日は娘の見送りのため家族全員で羽田空港へ向けて出発!
夕方出発のフライトではあったが、子供一人旅の手続きなどがあることを考慮し、余裕をもってお昼前には空港に到着した。初めての羽田空港第3ターミナル。夏休み真っただ中ということもあり、家族連れや外国人観光客であふれかえっていた。
チェックインの開始時間まではまだ2時間くらいあったので、娘の希望もあって和食のお店で昼食をとった。昼食後もまだまだ時間が余っていたので、しばし羽田空港第3ターミナル内を散策。
まず向かったのが「はねだ日本橋」
現代における東京の旅の起点の象徴として造られた橋で、当時の日本橋のおよそ半分のサイズで復元されているそうだ。横の壁には江戸時代の江戸の街並みが描かれていて、日本の風情を感じられ、橋の上からは出発ロビーを一面見渡すことができる。
外国人観光客のみならず、日本人である我々にとっても魅力的な場所であった。橋脚の下には休憩スペースがあり、食事をしたり、横になって休んだり、各々自由に過ごしている旅行者たちの姿が見られた。また、江戸の町並みを再現した飲食店や商店街は日本らしさの風情があふれ、ノスタルジックな雰囲気に思わず引き込まれてしまう程だった。
空港内だけで立派な観光地と言っても過言でないほど興味深いものがたくさんあり、あっという間にチェックイン開始時間になった。チェックインでは、子供一人旅サービスの書類の記入と提出、預け荷物の手続き後、首から下げるネームカードを手渡された。思いの外あっけなく終わり、次の集合時間を言い渡された。まだあと2時間半もある。
屋外の展望デッキへ
まだまだお別れまでは十分すぎるくらい時間があった。先ほど建物内は満喫したので、次は屋外の展望デッキへと向かうことにした。展望デッキでは、間近で見る飛行機の迫力に思わず息をのんだ。轟音を響かせ滑走路を猛スピードで加速する機体。離陸して飛び立っていく様子をここまで至近距離で見たのは初めてだ。
次から次へとひっきりなしに着陸態勢で滑走路に向けて迫ってくる飛行機の数々にも驚きを隠せなかった。行ってらっしゃいとおかえりなさいで忙しく回る空港の様子に家族全員でくぎ付けになった。
その中で、安全に発着ができるように働くスタッフたちの姿もじっくり見学できた。猛暑の中、日差しをよけるものは一切ない。ヘルメットも必須なので、はたから見ているだけでも暑さで参ってしまいそうなくらい。定刻フライトを陰で支えるプロフェッショナル達。まさに縁の下の力持ちの姿。客室乗務員のような表立った仕事ではないかも知れないが、こういったスタッフたちのたゆまぬ努力と仕事によって、安全で時刻通りの発着が出来ているのだと思うと頭が下がる思いだった。
ここまで感銘を受けた展望デッキでの見学であったが・・・。猛暑真っ盛りの日。暑すぎて2時間半の時間を全てここでつぶすのは酷な状況で、遂にはギブアップ。涼しい屋内に避難し家族全員でアイスクリームを食べながら談笑をし、時間の経過を待つうちに、いよいよ集合時間となった。
出発当日<その2>
あっけないお別れ
集合場所のカウンターに出向くと、目を疑うほどのたくさんの子供たちが集まっていた。勝手に、数人くらいかな?と想像していたのであっけにとられてしまった。エアカナダのスタッフが子供たち一人ひとりの名前をチェックした後は、保安検査所に向かって出発。
スタッフの1人が「では、子供たちはこちらに来てください。」と先頭に立ち誘導。その後スタスタと歩き進めたが・・。
「え?保護者はどうしたら良いの?子供と一緒に付いて行って良いの?」何の説明もなく、戸惑ってしまったが、他の保護者の方々も子供と一緒に行っている様子だったので私も娘と一緒にスタッフに付いて行った。誘導されるがまま保安検査所横の小さな入り口まで来ると、子供たちはその入り口から続々と中へと入り、娘も続いて中に入っていくとあっという間に姿が見えなくなった。
その入り口をふさぐように中を覗き込み、動画や写真を撮影する大勢の保護者たち。圧倒され過ぎて、お見送りどころではなくあっけないお別れとなった。
機体を見送る
その後、展望デッキに移動して、娘が旅立つエアカナダの機体を見守り動き出すのを待機。機体をじーっと見つめ、今か今かと目線をそらさずに見守るが定刻になっても機体は動き出す様子はなく、しばらくの間、微動だにしない状態が続いた。待てど暮らせど動き始めない機体に対して疲労を感じるほどであったが、息子(娘の弟)も一緒におとなしくじっと見守っていた。
お姉ちゃんがカナダに飛び立つことに対して何か感じることがあったのかな。これで、やんちゃな息子の日ごろの悪態が変わってくれたら御の字だな。なんて、しょうもないことを考えているうちに、ようやく機体が動き始めた。
遥かかなたにある滑走路まで移動し、離陸待ち状態に。が、この後もなかなか機体が動き出す気配がない。待っている時間は長く感じるものとはいえど、夫も私も待ちくたびれすぎて「さあ、もう、帰ろうか!」と冗談を言ってしまう程。
気を取り直して待ち続けると、やっとのこと 機体が発進し離陸体制に入る様子が見られた。待ちわびた娘の出発。目を凝らして見守ろうとするが、機体が建物の陰に入ってしまい見失ってしまう始末。建物に隠れてしまい、離陸の瞬間は結局見ることはできなかった。けれどもすぐに建物の陰から機体の頭は姿を現し、飛び立っていく機体を見届けることができた。
青空の雲の中へと消え行く機体を、最後の最後見えなくなるまで家族全員で手を振ってお見送りをした。「行ってらっしゃーい!」