JR山北駅徒歩1分、オートロック、EV、宅配ボックスも
今回のお話をする前に、物件の簡単なおさらいから。こちらは子育て世帯の人に快適で便利な住宅を提供し定住促進を促進しようと、2014年3月に竣工した山北町営の賃貸住宅「サンライズやまきた」です(地上6階建て、42戸、RC構造)。
ゆとりのある住宅環境や便利さは町営ならでは。入居資格は、同居者に18歳未満の者がいる子育て世帯(新婚世帯、婚姻予約者等、子育て世帯になり得る世帯含)。単身者や高齢者世帯は入居できません。
「自分が置かれることになる状況」って考えていますか?
言うまでもありませんが、「住まい」を選ぶ基準は人それぞれですよね。立地、家賃、広さ、設備、新しさ、周辺環境、学校や自治体の各種制度、中には実家との距離感という人もいるかもしれません。
- 記者メモ でもよくよく考えてみると、これらはすべて「自分を中心とした目線」での話。それもいいのですが、自分にとって欠かせない条件だけが、自分の暮らしをカタチづくる要素ではないと考えると、「自分が置かれることになる状況」という目線で物件を見ることも必要なのではないでしょうか?
「ゆるやかなつながり」が暮らしやすさを創る
実はこの日は、マンションの内覧会が企画されていました。子育て世帯向けでゆとりある物件なので人気が高く、基本的に満室であることが多いのですが、空室が出たためです。
モデルルームの見学や子育て関連施設の見学などで参加者を募集していましたが、残念ながら申し込みはありませんでした。春休み直前の土曜日、入園・入学、卒業や進級など準備に忙しい時季なので、仕方がないかもしれません。
担当者に話を聞くと、「そのようなこともありますよね、相談会として開放しながら、入居者や地域住民の方と交流できるイベントに替えたいと思います!」と元気な声が返ってきました。
- 記者メモ 新たな入居者だけを見ていたら中止で終わるイベントですが、地域や町のコミュニティを意識していると、こういう風になるのかと勉強になりました。ここは、こんな人たちがいる場所なんですね。
入居者だけでなく、地域住民とも。これが「やまきた暮らし」
「何人来てくれるか分からないな」と始まった地域交流会。どうやら心配は無用のようでした。
朝10時ごろ、餅つき体験や豚汁、ゲームコーナーなどが準備されると、少しずつ人が集まり始め、「杵と臼での餅つきなんてやったことある?」「うちの子は初めてだよ」「機械でつくのとは違うねー」、「今日は休みなのー?」あちこちで会話に花が咲きます。
集合住宅に限ったことではありませんが、近年、住民同士のコミュニケーションの希薄化が叫ばれています。
どの部屋に誰が住んでいるかさえも分からず、住民同士の交流が進まないケースも珍しくありません。地域の安心・安全を考えると、これっていいことではありませんよね。
- 記者メモ 今回のイベントは事前申込制でも、強制参加でもないフリーのイベント。こういうゆるやかなつながりを当たり前のようにしている感じ、うらやましく見えます。地域とドライに関わるのも自由ですが、何もかも一人でできるわけではありません。だからこそ、こういうことって、住まい選びの本当のポイントのような気がします。
時間をともにし、「距離も縮まる」
マンション内にあるコミュニティスペースもいつしか満席状態。みんなでついたお餅や用意された豚汁、フランクフルトなど、食べ物がどんどん消えていきます。笑顔があふれ、会話も弾んでいる様子。時間をともにすることは、距離を縮めること。相手の近況や様子も分かります。
賃貸物件管理の管理を行っている「株式会社ユーミーClass」の佐藤賢吾さんは、「天気も良い中、入居者さんだけでなく、地域の方々ともたくさんお話ができて、とてもよかったと思います。管理会社目線でも、皆さんのことを知ることはとても大切なので、いい時間でした」と話していました。