茅ヶ崎市立浜須賀小学校が“短くなって使いにくくなった鉛筆”をGDO茅ヶ崎ゴルフリンクス(茅ヶ崎市菱沼海岸)に寄贈し、地域の企業と連携して環境負荷の低減を図るSDGsの取組みを実現しました。
子どもたち主体で始まった浜須賀小学校のSDGsへの取組み
浜須賀小学校では、2022年4月に児童の委員会活動としてSDGs委員会を設置しました。委員のメンバーは5・6年生合わせて16人。SDGs委員会で委員長を務める中山仁愛(なかやま にあ)さん(小6)は「SDGsの取組みはテレビで観て興味をもった」そうです。担当教諭も「新設の委員会にも関わらず、意欲の高い子どもたちが集まっていました。始まった当初から熱量が高い委員会活動でした」と振り返ります。そのため、子どもたちが主体となって委員会はスタート。タブレットを使い“SDGsとは何か?”を調べ、自分たちでできる活動を探すところから活動が始まりました。
GDO茅ヶ崎ゴルフリンクスでもプラスチックペンの削減が課題に
浜須賀小学校に隣接するGDO茅ヶ崎ゴルフリンクス(以下、GDO)では“スコア用に配られるプラスチックペンをどう削減していくのか”という課題がありました。GDOではこれまでにも、コース内の電気を再生可能エネルギーに切り替え、施設内の自動販売機からペットボトルをなくすなど環境に配慮した取組みを進めてきましたが、「企業としてSDGsに寄与する取組みを進めており、ゴルフ場が抱えているこの課題を解決したいと思っていました」とGDOの伊藤修武(いとうおさむ)ゼネラルマネジャー。
この課題を聞いたSDGs委員会はプラスチックペンの削減の方法を考えてみることに。委員会では「プラスチックペンを連結できるキャップがあれば再利用できるのではないか」「芯と本体を分別できれば廃棄する量を減らせるのではないか」など色々なアイディアが出たそうですが、どれも具体的にどう取組むかを考えると現実的な選択肢にはなりませんでした。
“短くなって使いにくくなった”鉛筆をゴルフ場でリユース
そんな中で、委員会が注目したのが、“短くなって使いにくくなった鉛筆”。自分たちが使っている筆記用具にもロスが生まれていることに気づき、GDOで再利用してもらおうと考えたそうです。委員会メンバーは学校内に募集箱を設置。短くて使いにくくなった鉛筆を全校生徒から集めることに。中山さんは「最初は少ししか集まらなかったので、朝の学習時間に各クラスを回って呼びかけをしました。学校中に募集箱を置いていたので管理が大変でした」と苦労したこともあったそうですが、「友達が『箱に鉛筆を入れたよ』と教えてくれるのがとっても嬉しかった」と副委員長の鹿川紗々更(しかがわささら)さん。児童みんなの協力もあり、2か月間で800本以上もの鉛筆が集まることになったそうです。
浜須賀小学校の松永校長は「募集箱はティッシュの空き箱を使った子どもたちの手作りです。当初、募集が伸び悩んでいたと聞いたので“箱を飾ってもっとキレイにしてみたら”とアドバイスしたのですが、『それはSDGsの取組みに反します』と。大人よりも子どもたちの方がSDGsへの意識が芽生えていて、子どもたちに教えられることになりました」と言います。
浜須賀小学校とGDOが連携して、SDGsを推進
そして、2023年3月9日。浜須賀小学校6年生の児童も参加したGDOで行われた『卒業記念イベント』で、GDOに集めた鉛筆の寄贈が行われました。
委員会メンバーから鉛筆を受け取った伊藤さんは「ゴルファーに“隣の浜須賀小学校が廃プラスチック類削減の取組みで寄贈してくれた鉛筆です”と必ず伝えます。この取組みを知れば、大人もSDGsのことをもっと真剣に考えるようになってくれるのではないでしょうか」。また、寄贈してくれた浜須賀小学校にお礼として鉛筆をプレゼント。「この鉛筆を地面に植えると花が咲きます。勉強をたくさんして鉛筆が短くなったら、今度は花でいっぱいにしてほしい」と伊藤さん。
こうした小学校との連携だけでなく、地域に開かれたゴルフ場として広域避難場所に指定され、ナイトピクニックなどのイベントが行われているGDO茅ヶ崎ゴルフリンクス。これからもこのゴルフ場を舞台にSDGsの取組みや地域連携が始まっていくのではないでしょうか。
関連リンク
・GDO茅ヶ崎ゴルフリンクス
・茅ヶ崎市HP(日めくり茅ヶ崎)