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<南湖に移住した柴田真季さんの茅ヶ崎暮らし>このまちがみんなのホームに。心のよりどころになるといいな。

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<南湖に移住した柴田真季さんの茅ヶ崎暮らし>このまちがみんなのホームに。心のよりどころになるといいな。

海に近い地区・南湖(なんご)は、かつての漁師町。言葉は元気で人はとっても温かい。このまちを誇りに思いながら、“みんながもっとつながっていけたら”、そう願いながら働く人がいます。

茅ヶ崎市南湖在住 柴田 真季(しばた・まき)さん

北海道室蘭出身、夫の仕事がきっかけで茅ヶ崎へ住み13年目。夫、小4の息子さんと3人暮らし。浜見平にある認定NPO法人「まちづくりスポット茅ヶ崎」で、イベントの企画・運営、発信業務などを行っている。

移住したのは市内の人も感じる独特のあたたかさ、南湖(なんご)地区

北海道出身の柴田さんが茅ヶ崎市に住むことになったのは、夫の思いからだった。青森出身の夫は幼い頃、茅ケ崎駅近くで呉服屋を営む親戚のおじさんの家で、夏休みを過ごした。遊んでいると近所のおじちゃん、おばちゃんたちが気さくに声をかけてくれた。毎日楽しくて、住む人が皆、温かい。その居心地の良さがずっと心に残っていた。「子どもを育てるなら、茅ヶ崎がいいな」、その思いで引っ越してきた。

今住んでいる「南湖(なんご)」は、茅ヶ崎の人の好さ、温かさがさらに濃い地区のようだ。

「かつての漁師町で、“おめえ、なにやってんだよ”なんて勢いのある感じで話しかけてくれます。でも、人は温かいんです。商店会“南湖みんなでやんべぇよ会”もあって、年齢関係なく仲良くしてくれます。」

独特の話しぶりやあったかな感じから、市内の人から「南湖の人ですか?」と声がかかることも。

海まで徒歩3分。浜見平地区まで自転車で5分で何でもそろう。

南湖のそばには、生活に便利なところもある。隣町の浜見平にはもともと大きな団地があり高齢化が進む中、お年寄りでも歩いて利用できる複合施設ができている。診療所やコンビニ、郵便局、図書室や公立保育園、市の出張所、地域包括支援センターがそろう。斜め向かいには、スーパーやドラッグストアのある商業施設があり、地元の商店会のお店も入っている。

「自宅から海までは徒歩3分。浜見平までは自転車で5分で、なんでも近所で済ませられます。富士山も大きく見えて、子育て世代にもオススメです。

「おもしろそう、やってみよう」。ノリのいい人が多い茅ヶ崎

“こんなことをやってみたい”と口にすると、“おもしろそうだね、やろう、やろう”と応えてくれる。そんな人が多い茅ヶ崎。好奇心があって、まちが好きな人が多い気がします。わたしは1970年代生まれの人のコミュニティ「ななまる会」というのをやっています。みんなで一緒に歳を重ねていこうという思いで始めた飲み会なのですが、声を掛けたら、ふわっと20人ぐらい登録してくれました。」この会からうまれたこんなできごとも。

「浜見平の複合施設内にあるカフェ”カオトオカ”は私が働くNPO法人が運営しているのですが、当初は都内の飲食業の方に委託していました。そこも良かったのですが、地元の感覚を取り入れたくて「ななまる会」でその話をしたら、そこから人のつながりが生まれて、現在カオトオカを一緒に運営する事業者さんと出会うきっかけになったんです。地元のレストランの方とメニューを新しく開発するなど、自分たちの力で少しずつまちを変えていけるのはうれしいですね。」

イシラス、欣寿司。作り手に親しみを感じる食事ができる喜び。

夫は電車通勤で、東神奈川までdoor-to-doorで約40分。家族で遊ぶのはもっぱら地元。子どもの保育園時代から仲良しの家族で、2週間から月イチの頻度でバーベキューなどで集まる。この先、いつまでも一緒にいられる仲の良さだ。

「買い物は浜見平や、南湖の商店会で。地元のおいしいお寿司屋さんに行ったり、相模湾であがったばかりの魚を加工する、漁港そばの「イシラス」というお店で釜揚げシラスや生シラス、子どもの大好物のカマスのフライなどを買ったり。子どもと一緒に近所のパン屋さん、駄菓子屋さんにも行きます。そういうお店が残っているのが南湖のいいところ。」

食事をしながら、子どもに“ナガタニさんところの野菜だね”“イシラスの魚だよ”と話し、子どもも“欣寿司さんのお寿司だ~”と、食べている。生産者や作り手とつながっている食事。その大切さや豊かさを、子どもと共有し、伝えていけることに幸せを感じる。

マルシェで人と人がつながる。まちづくりスポット茅ヶ崎のちから

NPO法人「まちづくりスポット茅ヶ崎」で働く。市民・自治体・商店会・自治会・公共施設・事業者などの間に位置し、コーディネートやマッチングなどを行い、自らイベントを企画・運営、発信も行う。いわばまちの元気づくり、魅力づくりのために一肌脱ぐ活動だ。元気で愛情たっぷりの柴田さんにぴったり。

まちスポでは、とにかく、訪れる人の話を聞くことにしている。

「私が茅ヶ崎に引っ越してきたとき、一人ぼっちでさみしかったんです。赤ちゃんからお年寄りまで、人とつながっていない虚無感や寂しさに、年齢は関係ない。だからみなさんの話をよく聞くようにしています。だれかとつながる機会、よりどころにしてもらえるとうれしいです。」

数年前、市内の小学5年生2人が「マルシェって子どもでもできますか?」とやってきた。「まちスポに行ったら話を聞いてくれるんじゃない?」、そんなお母さんのアドバイスによって(笑)。柴田さんは真剣に対応した。「どんなものが売りたいの?」それが今年で5回目を迎える「こどもマルシェ」の企画の始まりだ。ある日は88歳の元・洋裁師がやってきた。「もう無理かなと思うけど、展示会をやりたい」。話を聞き、複数の参加者が集まることになり、実現した。「みなさんの思いがあってのこと。頼りにしてくださるのはうれしいです。」

茅ヶ崎が心のよりどころになってほしい。

引っ越してきたばかりでさみしかったとき、地元の北海道が心の支えだった。それと同じように、子どもにとって、茅ヶ崎が心のよりどころになってほしい。ホームタウンであり、根っこになってほしいという思いがある。「だからこの仕事をしているところもあります。“南湖や茅ヶ崎が大好きだな、すごくすてきなところなんだよ”と息子に思ってほしいんです。」

Information:
まちづくりスポット茅ヶ崎
http://machispo-chigasaki.com/

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公開日:2021-04-01

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