茅ヶ崎の最新ニュースやお得情報、そして、美しい海や風景写真などをTwitterやFacebook、Instagram、YouTubeなどで発信している『茅ヶ崎テレビ』。茅ヶ崎市内に住んでいる人や「茅ヶ崎」で検索をしたことがある人なら、一度は「オレンジ色の烏帽子岩」のロゴが入った投稿を見かけたことがあるのではないでしょうか?茅ヶ崎の魅力を発信している『茅ヶ崎テレビ』を特別インタビューしました!
前編では、『茅ヶ崎テレビ』の誕生秘話や裏話について、発起人でCEOの藤川忠彦さんにお話をお聞きしました。
■藤川 忠彦さん(茅ヶ崎テレビ発起人・CEO)/兵庫県神戸市出身。都内を拠点に、コンピューター技術を駆使し、映画や舞台、テレビ、ビデオ向けの作曲や編曲を音楽制作を行う。結婚を機に茅ヶ崎へ。IT関連事業や音楽・映像プロデュースなど、幅広い事業を手掛けている。
はじまりはTwitter、「@chigasaki」で震災情報を発信
名前に「テレビ」という冠を掲げ、動画も数多く配信している『茅ヶ崎テレビ』ですが、はじまりはTwitterでした。時は2007年まで遡ります。
藤川さん 「茅ヶ崎ではまだツイッターを使っている人が少ない頃で、ぼくの趣味の一環で『@chigasaki』のアカウントで、何となく茅ヶ崎のことを発信していました。その数年後の東日本大震災の時に、電話はつながらないけれどTwitterは動いていた状況だったので、『じゃあ、Twitterを使って情報発信しよう』ということで、『茅ヶ崎情報』という名前で、地震関係や計画停電の情報についてツイートを始めるようになりました。特に計画停電の情報が錯綜していたので、それを全部調べ上げて、まとめて整理して発信していました。そうしたら、とてもニーズがあって、1日で何千人という人がフォロワーになってくれて。それで使命感みたいなものが生まれて、積極的に茅ヶ崎の情報を伝えるようになりました」
地震情報は速報性が必要ですが、茅ヶ崎の場合、テレビのニュース速報から情報は拾えません。当時はリアルタイムでローカルな情報を取る手段が無かったので、非常に頼りにされたそうです。
2010年には、動画共有サービスUstream(ユーストリーム)で、毎週金曜日に2~3時間、茅ヶ崎のいろんな方をゲストに呼んでインターネット生放送するように。そこで初めて、番組名として『茅ヶ崎テレビ』の名前が誕生します。
藤川さん 「最初はひとつの番組名だったんです」
その後、Facebookもはじめ、動画配信や投稿記事に、メンバーが撮影した茅ヶ崎の朝陽や夕陽の写真を入れるようになり、現在の形になりました。
全員ボランティア!音楽やカメラ…それぞれの「好き」をカタチに
運営するメンバーは、藤川さんをはじめ、全員がボランティア。しばらく活動をしていない人も含めると、14、15人のメンバーがいるそうです。かつては撮影や編集などを行う活動拠点がありましたが、現在はそれぞれの拠点で活動を行っており、メンバー同士、顔を合わせたことが無い人も多いとか。
藤川さん 「ぼくたちは計画的に『これを始めよう』と進めたことはありません。いろんな方との出会いの中で『じゃあ、一緒にやりましょう』という感じですね。メンバーも大きな役割や担当みたいなものはありますが、それぞれ好きな時に好きなことを『茅ヶ崎テレビ』という媒体を使って、展開しています」
その言葉通り、メンバーには年齢も出身も、職業もバラバラな個性豊かな顔が並びます。音楽・映像プロデューサーに動画編集者、カメラマン、会社経営者、ミュージシャン・・・。共通しているのは「茅ヶ崎が大好きだから、茅ヶ崎の魅力を発信したい」「茅ヶ崎の人に有意義な情報を伝えたい」という思いだけです。
市民目線で「有意義で正確な」情報を
現在はそれぞれの得意分野を発揮しながら、Twitter、Facebook、Instagram、YouTube、Clubhouse(招待制の音声SNS)の5つのコンテンツを運営しています。茅ヶ崎の自然やイベント、お店、企業、人を紹介して、茅ヶ崎の魅力を発信。サザンオールスターズや茅ヶ崎出身の桑田佳祐さんの情報も積極的に紹介しています。そんな地道な活動の甲斐あって、年々ユーザーが増加。Facebookの「いいね!」とフォロワー数ともに約3.5万人、Twitterは1.1万人のフォロワーを抱えます。
藤川さん 「僕たちはテレビ局や新聞社とは違って、あくまでも市民メディアです。市民目線で、『あそこに新しい店ができたよ』『今日の夕陽キレイだったね』といった「井戸端会議」の延長線の情報を届けています。投稿やメッセージに届いたニーズや質問に応える形で発信するようにしています。そこは提案型の大手メディアとは、逆の発想だと思います」
藤川さん 「一番気を付けているのが、『情報の正確さ』です。ユーザー数が少なかった頃は、『〇〇らしいよ』といった小耳にはさんだ情報を発信していたこともありましたが、今では一度調べてから、責任感を持って発信しています」
3本柱は「キュレーション」「海写真」「動画」
現在の活動の柱は3つ。1つ目は、各メディアやサイトの情報を取捨選択して共有発信する「キュレーションメディア」としての役割。茅ヶ崎市の広報や地域メディア、人気ブロガーが発信する情報をタイムリーに共有しています。
そして何といっても一番人気があるのが、2つ目の柱です。主に2人のカメラマンが毎日手掛けている茅ヶ崎の海の写真の投稿です。一般のキュレーション記事の数十倍の「いいね!」やコメントがつきます。
3つ目は、完全オリジナルの動画です。県議会議員の永田てるじさんの番組をはじめ、「美と健康」をテーマに、市内のお店やサロンでの体験動画、「グーグルアース」を使った茅ヶ崎のバーチャル散歩、地元ミュージシャンのライブ番組「湘南mtv」など、豊かなバリエーションの番組を発信しています。
藤川さん 「茅ヶ崎テレビと名前を掲げているくらいなので、本当はもっと動画を上げなくてはならないんですけれどね」
茅ヶ崎は「みんなでやろうよ!」というポテンシャル高い街
茅ヶ崎は他の街と比べて、いろんな意味で「ポテンシャルが高い」と感じています。
藤川さん 「実は、茅ヶ崎のTwitterのように、辻堂や藤沢、平塚バージョンも作ろうと試みたことがあるんです。若い子たちに声を掛けたんですが、全然立ち上がってこなくて。茅ヶ崎は『よし、みんなでやろう!』という意識が高くて、エネルギーがある。そして、茅ヶ崎が好きで、茅ヶ崎に住んでいることを誇りに思っている。『茅ヶ崎いいでしょ!うらやましいでしょう!』という感覚がどこかにあるのかもしれませんね。面白い街ですよね。これは茅ヶ崎の特徴で、茅ヶ崎だけがいろんなことに挑戦できる街だと思ってます」
こんな興味深いエピソードも。
藤川さん 「Twitterを始めた当初、「どこどこ、なう」という投稿が流行っていたので、南口の『一坪亭』という居酒屋でひとりで呑んでいた時に「一坪亭なう」とつぶやいて、「誰か一緒に呑みませんか」というような投稿をしたんです。そしたら、投稿を見た50人くらいがお店にどっと来て、超満員になっちゃって。「どこどこなう、でツイートしただけで、これだけの人が集まるのは面白いな」と思って。そこで、茅ヶ崎から江の島まで歩いて行くというイベントを開催したら、400人も参加してくれたんです。その後も、800人くらい参加してくれたイベントもありました」
IT×ローカル = 茅ヶ崎人を動かすエネルギー
藤川さん 「『Twitter」の運営元である米サンフランシスコを一旦経由して、茅ヶ崎の人たちが実際に出会っているなんて、すごいエネルギーだなと感じました。ITとローカルを組み合わせると、こんな化学反応が起こるんだと思って、すごくワクワクしたのを覚えています。それを実現できるのは、『地元で人とつながりたい、何かやりたい』と思っている人が多い茅ヶ崎だからこそだと思います。今は、コロナで難しいですが、また同じようなイベントを企画できたらと思っています」
近日中に【後編】も公開します。お楽しみに!
茅ヶ崎テレビ
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