いざ、「鎌倉殿の13人」 出演・中村獅童さん語る

シェアする
梶原景時を演じる中村獅童さん

 鎌倉幕府誕生を背景に、権力の座を巡る男たち女たちの駆け引き-。源頼朝にすべてを学び、野心とは無縁だった2代執権・北条義時はいかにして頂点に上り詰めたのか。鎌倉を舞台に繰り広げられる2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜午後8時〜)が、1月9日(日)に幕を開ける。

*   *   *

 三谷幸喜さん脚本。主人公の義時を小栗旬さんが演じ、新垣結衣さんや菅田将暉さん、さらには大泉洋さん、小池栄子さん、片岡愛之助さん、三谷作品常連の佐藤浩市さんに西田敏行さんとそうそうたる顔ぶれが並ぶ。語りは長澤まさみさんが務める。

ドラマのメインビジュアル、中央に小栗旬さん

 これまでの大河ドラマで鎌倉が登場することは度々あったが、61作目にして初めて作品名に冠された。鎌倉で10年暮らし、市内のイベントに参加するなど、鎌倉ゆかりの役者・中村獅童さんも、梶原景時役として今作に出演する。

 その景時は、鎌倉幕府を支えた宿老13人のうちのひとりで、幕府成立に大きな影響を及ぼした人物でもある。獅童さんは本紙取材に、「全身全霊、心を込めて演じていきます。地元の方に楽しんでいただける作品になると思います」と語る。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の1シーン、梶原景時役を務める

 歌舞伎にドラマ、映画、舞台と多方面で活躍を続ける獅童さん。8歳で歌舞伎の初舞台に立つが、その後は不遇の時代も過ごした。いかにして道を切り拓けばいいのか。苦境を乗り越え、役者としての地位を確立した今でも、考えを巡らせている。

諦めない、だから叶った 歌舞伎役者・俳優 中村獅童さん

 –自身7作目となる大河ドラマですね。

 役作りのため、髭もこんなに伸びたままです(笑)。脚本が昔からご一緒させていただいている三谷幸喜さんで、どんな風に書かれるのか楽しみでした。

 撮影は進んでいて、僕の役はこれまでで1番まじめかもしれません。いや、めちゃくちゃまじめです。一方で、大泉洋さん演じる源頼朝や菅田将暉くんの源義経など、時代劇でよく登場する人物を三谷さんがどのように描くのか、個人的にも楽しみです。撮影はまだまだ残っているので、自分の役もどうなっていくかワクワクしています。

インタビューに応える中村獅童さん=都内自宅にて

 –獅童さん演じる梶原景時は、もともと敵だった源頼朝の命を救った人物と言われています。

 歌舞伎では「梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)」をはじめ、さまざまな演目で登場し、僕も演じたことがあります。

 景時は悪く描かれることが多いですが、調べてみると実直で、冷静沈着。博学でもあります。景時が頼朝についたことで歴史も大きく変わりました。自分の使命を尽くすというイメージですかね。鎌倉にあるお墓にはまだ行けていないので、時間ができたらぜひお墓参りしたいと思っています。

「息子はライバルです」

 –最近では4歳の息子・陽喜くんが話題ですね。

 この1月に歌舞伎座で初めての舞台に立つ予定です。もうライバルです(笑)。

 僕と同じく歌舞伎をやってくれることは率直にうれしいです。ただ、お客さんあっての商売なので、経験がないからしょうがないというわけにはいきません。プロとして頑張ってほしいですね。

 –自身も8歳で歌舞伎デビュー。それから20年以上を経て、映画「ピンポン」(2002年公開)のドラゴン役で一躍脚光を浴びました。

 ピンポンは30歳を迎える頃です。オーディションで選ばれ、映画に初めて出演させていただきました。

 無名だった19歳のとき、関係者に「歌舞伎で主役は無理だ」と言われました。役者として何度も諦めようかと思いました。でも、諦めませんでした。いつかみんなの前に立ちたい。そのためには、どうすれば道が切り拓けるのかを考え続けました。そのときの努力や苦しみがどうだったかは今ではあまり覚えていませんが、夢や希望に向けて情熱を持ち続けていたことは確かです。

 10代の頃、三谷さんの舞台を観に行ったんです。そこで、「自分もいつか三谷さんのような人気脚本家の作品に出られる役者になりたい」と思ったんです。諦めなかったことで、その夢も叶いました。おかげさまで歌舞伎でも、主役を務めさせていただけるようになりました。

感じる、そして考える

 –役者として大切にしていることはありますか。

 「感じる」ことです。何かを感じることができるからこそ、役者として発信できると思うんです。常に何かを感じていないと、怒りや喜びも表現できないですから。時代もそうですね。ピンポンを機にいろいろな作品に出だした頃と今では、中村獅童に求められるものも違ってきています。1人よがりにならないよう、人々が何を求めているのかを感じようと意識しています。

 もうひとつは「考える」ことです。現場では動物的ですが、役を構築する際はとにかく考えます。その人物に関して描かれていない行間、その人の過去などを構築していくことを大切にしています。ついつい無意識に考え事をしてしまい、休みで海に出かけているのに、ひらめいたらすぐに事務所へ電話しちゃって。歳を重ねましたが、「人生の折り返し地点」という言葉が嫌いで、ずっと直線を突っ走っていたいですね。

3歳の由比ヶ浜

 –初めて海を見たのが鎌倉だった、と。

 そうなんです。3歳のときに叔父(中村嘉葎雄)が由比ヶ浜に連れて行ってくれました。今でもそのときの光景を覚えていて、以来ずっと海が好きです。僕が砂浜から海を眺めている写真も残っていて、陽喜も同じポーズで写真を撮りました。

 鎌倉には、2008年から10年ほど住みました。リフレッシュするには最高の街です。その縁もあって、ここ数年は長谷寺の豆まきや、鶴岡八幡宮の「ぼんぼり祭」に参加させていただいています。鎌倉はお寺や神社をはじめ歴史深いところがしっかり残っている。古き良き日本の姿は、我々日本人にとって財産だし、大切にしていかなければなりません。

 大河ドラマ館もできると聞いたので、ぜひ行きたいと思います。

 –いよいよドラマが始まります。

 コロナ禍で、苦しいこともたくさんあると思います。僕たち役者は、みなさんが笑ったり、感動して泣いたり、元気になったりさせる仕事です。自分のゆかりがある神奈川の人たちが大河ドラマを楽しんでいただき、笑顔になってもらえたら何よりです。

 もし僕を見かけることがあったら、遠慮なく声をかけてください!

住所

神奈川県鎌倉市

公開日:2022-01-08

関連タグ