異国情緒漂う色彩と唇のみが描かれた人間味あふれる登場人物とともに、社会の多様性や愛などを表現する作品を手掛けるアーティスト・NARI(LITTLE FUNNY FACE)さん。初めてそのイラストを目にした時、なんとも言えない独特なタッチとメッセージ性に惹かれ、「直接お話しをしてみたい」とギャラリーまで会いに行ってきました。ゆったりとした笑顔で出迎えてくれたNARIさん。茅ヶ崎に暮らし、ギャラリーを構えて1年になるタイミングで、その魅力を掘り下げていきたいと思います。
【Profile】
NARI…1990年湘南出身。目鼻を除き、唇のみを描き込む独特のスタイル、異国情緒溢れる色彩やタッチが印象的なアーティスト。ちょっぴりルーズな生活感や、人間性を包み隠さず表現した作品は、多くのファンから共感を集める。作中に様々な国籍の人々が登場するのは、平和と平等を願う気持ちから。また、バラエティに富んだ愛のかたちを描くことで、多種多様な性のあり方を社会に発信している。
自身のギャラリーショップを茅ヶ崎に構えるとともに、各地での個展・POP UP SHOP開催、GUやMURUA、FRUIT OF THE LOOMといったアパレルブランドとのコラボレーションなど、精力的に活動中。
◆Instagram @little_funny_face
◆Instagram(gallery) @little_funny_face_gallery
◆Web store/https://littlefunnyface.stores.jp/
SNSへの投稿をきっかけに人気アーティストへ
茅ケ崎駅南口から数分、桜道を一歩なかへ入ると、カフェやアパレルショップなどが並ぶおしゃれな街並みが現れます。さまざまな年代の人たちが趣味やこだわりを楽しみながら暮らしている『TSUBANA』の一角に、NARIさんのギャラリーはあります。
6〜7年前から自身の作品をインスタグラムで発信し始めたNARIさん。すると、すぐに鵠沼にあるセレクトショップbuscapeから声がかかり、初めての個展を開催したと言います。精力的に作品の発表を続けた結果、どんどん彼女の作風に魅了される「ファン」が増え、百貨店などでのポップアップをはじめ、GUなど大手アパレルメーカーとのコラボや堤幸彦監督作品“ファーストラヴ”タイアップ企画公式グッズにデザインが起用されるなど、人気アーティストへと駆け上がっていきました。
見てわかるように、作品には様々な国籍の人々が登場しています。「気がついたらこの作風だった」と言うように、NARIさんにとって「多様性を認め合える社会」というのは当たり前のことで、「平和と平等を願う気持ち」が込められています。しっかりとした意思を持って描かれた作品に感情を動かされる。NARIさんの絵には、そんな力があるように感じます。
茅ヶ崎での暮らしぶり
これまで、国内外たくさんの場所を旅してきたNARIさん。茅ヶ崎は「個人店が連なる街並みとローカルをサポートし合う精神が強く、海外ぽくてすごくいい街」と言い、約1年前に藤沢から引っ越してきました。
お気に入りのお店もたくさんあると言い、迷いに迷って「ゆるリズム食堂」や「LUFT」「avintage」などをあげてくれました。
1 st Anniversary
そんな「お気に入り」の茅ヶ崎にギャラリーを構えて2022年4月1日に1周年を迎えました。「お祝い」として4月1日〜3日は手元にある作品の中から「とくに気に入っている」ものを展示したエキシビジョンを開催。彼女の作品を愛するたくさんの方々が遊びにきていました。
初めてギャラリーを訪れた人も、常連さんも、笑顔が溢れた3日間。NARIさんは「“ギャラリーを訪れるたびに心があたたかくなって、幸せな気持ちになる“と言ってもらえたことが特に印象に残っています。また、作品や作風に対する純粋な疑問を投げかけていただけると、興味を持って鑑賞してくださっているのが伝わりいつも嬉しくなります」と感想を教えてくれました。