市立はるひ野小学校・中学校前の遊歩道に連なる35本の桜並木。3月下旬、その中でもひと際細い木の幹に、可憐な花が咲いた。
遊歩道に植えられた35本のソメイヨシノ。そのうちの10本は昨年12月、はるひ野町内会(杉本秀治会長)が環境緑化活動の一環として植え替えたものだ。同会環境緑化部会の田中理恵部会長は「もっと多くの花を咲かせて、まちを明るくしてもらえたら」と話す。
自治会費で作業
はるひ野は、2003年に第1期の分譲、入居を開始した区内でも新しいまち。小中学校前の遊歩道の桜は、分譲開始前の造成時に植えられ、毎年春に花を咲かせ、町民を楽しませている。
一方、植えられてから16年近く経つものの、近隣の桜の木と比較しても、幹が一向に太くならず、一部幹が割れたり、花が咲いていない木も散見していた。この遊歩道は市道のため、本来は市が管理するものだが、景観維持、住民の安全を考慮し、町内会で植え替えを行うことを決定。昨年創設された「町内会・自治会活動応援補助金制度」を活用し、市の許可を得て、特に状態が悪い木の植え替え作業を行った。
施工業者によると「根が20センチほどしか伸びておらず、植え込みの下の土に水が溜まっている状態」だったという。杉本会長は「この遊歩道は造成時にトラック道だったため土が固く、谷戸から流れ出てきた水も影響し、土に酸素が入らない状態だった」と原因を語る。そこで今回は、土に酸素が行き渡るような構造を施したという。
杉本会長は「本来なら市の事業。今回、半分は補助金を使ったものの、町内会の予算。今後も同じようにできるとは限らない」と吐露。田中部会長は「せっかく植えた桜なので小学生対象のイベントなども考えていきたい。学校とも協議して、観察記録をつけてもらうなど、植物の循環を学ぶ機会にしてもらえたら」と話している。