NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では多数の魅力的な人物が登場する。中でも多くの人を魅了するのが源義経。戦での勇猛ぶりやカリスマ性、31歳での非業の死を含め、人々は義経を畏れ敬い、その思いは時代を経て受け継がれ、現在、御祭神として白旗神社で祭り続けられている。
白旗神社は元々、相模一の宮の寒川比古命を祭る寒川神社で、創立年は不詳ながら、当時から存在していたと思われる。
『吾妻鏡』によると1189年、腰越で義経の首実検が行われたと伝わる。同神社に残る伝承では、その夜、首が金の亀の背中に乗ってこの地に飛んできて、このことを鎌倉(頼朝)に伝えると、「白旗明神としてこの神社に祭るよう」とされたのだという。
正式には義経を合祀(ごうし)したのは1249年と記録され時期の不一致がある。鈴木大次宮司は「頼朝の指示は後から付け加えられたものと推測される。裏切られ命を落とした力ある武将への畏れや敬いの気持ちがあるのでは」と解説する。
また鈴木宮司は「神社に祭られることで、その力にあやかりたいと願うとともに、その存在を時代を超え受け継いでいく意味もある」と話す。
首実検が行われたとされる6月13日、同神社では義経の鎮霊祭を行う。2019年には境内に義経と家来・武蔵坊弁慶の銅像を建立した。今も多くの参列者が訪れ、思いを馳せる。