季節の花で皆を笑顔に
○…菅田町の耕作放棄地を活用し、野菜や花を植えている「けやき農園」。菅田町で特別養護老人ホームを運営する(社福)孝楽会が管理を行い、開園当初から園主を務めている。昨年から毎年植えていたコスモスの栽培量を増やしフォトコンテストを開催。昨年千人ほどが赴く盛況ぶりで、今年も実施されている。「コロナ禍で施設の利用者が外出できない中で季節を感じてほしいと企画した。地域の皆さんの思いを込めた1枚で利用者や皆さんが笑顔になると嬉しい」と話す。
○…「けやき農園」は、農作業を通し「元気なお年寄りを増やそう」と同法人の社会貢献の一環で始まった事業。園主に就いたが野菜づくりの経験がなく、周辺の農家にコツを聞きながら利用者らと一緒に春夏秋冬の旬の野菜を育て始めた。秋には、区内の幼稚園などと一緒に行う芋ほりイベントが恒例となり、農園が多世代の集う地域交流の場になっていった。
○…瀬谷区の出身。大阪の大学で地域計画など都市のまちづくりについて学んだあと、造園の設計などを行う企業に就職。実家で植木屋を営む妻との結婚を機に、菅田町に移り住んだ。その後は、40年近く植木の生産販売を生業にしており、13年前からは、けやき農園の管理も行っている。
○…今年の夏には、ひまわりを栽培し、大切な人に贈る企画を菅田地域ケアプラザなどと共同で実施。参加した地域住民から多くの感謝の言葉が寄せられたという。「50歳になったとき、第2の人生として、お世話になった周りの人たちに恩返ししたいと思い、園主を引き受けた」と経緯を話し「コロナ禍でもできることをやれば、施設の利用者や地域に喜んでもらえる。これからも、地域貢献に資する農園を運営していきたい」