【葉山町】山口蓬春記念館が国登録有形文化財に/近代和風建築「造形の規範」と評価される

シェアする

PR・イベントは終了しました。

【葉山町】山口蓬春記念館が国登録有形文化財に/近代和風建築「造形の規範」と評価される
主屋の外観(上)と画室(葉山町提供)

 葉山町一色にある山口蓬春記念館の主屋と画室が国登録有形文化財に登録されることになった。町内で8・9件目。建築家・吉田五十八による近代和風建築で、「造形の規範となっている」と評価された。11月18日に開かれた国の文化審議会が文部科学大臣に答申した。

 同館は吉田の見立てにより春が購入した自邸。寄棟造桟瓦葺の東西棟平屋建てで南東隅が2階建てとなっている。繊細な建具や床の納まりで和室とベランダの連続性を実現する吉田らしさを加味した近代和風住宅。画室は主屋の西側に南面しており、著名な画家の画室を作った吉田が最後に手掛けた。

 室内は大壁とし、細かな線を排し、床を一段下げた南のベランダ境には天井高いっぱいの引き込み障子を建てている。大学が同窓の2人による近代数寄屋の画室となっている。主屋は大正前期建築。1953年、57年、65年に増改築し、91年と2013年に改修した。画室は53年に建てられた。

 山口蓬春は戦中、東京から葉山に疎開し、1948年に現在地を建物とともに購入し自邸とした。吉田は数寄屋建築の近代化を進め、近代数寄屋を確立した。著名な画家の自邸を手掛けたことで知られ、1941年に世田谷に設けた春の自宅も吉田の設計だった。

 1991年からは山口蓬春記念館として公開活用されている。12月3日(土)からは初冬企画展「山口春の画室から見る日本画家のまなざし」が開かれる。来年1月29日(日)まで。愛蔵した美術図書を初公開するほか、画室を取り囲む庭の情景を写した作品や素描などを展示。理想として追求した自然への美のスタイルを追体験できる。

 問い合わせは【電話】046・875・6094

開催日

2022年12月3日(土)~2023年1月29日(日)
初冬企画展

住所

神奈川県葉山町山口蓬春記念館

電話

046-875-6094

046-875-6094

公開日:2022-12-04

関連タグ