海岸ではビーチクリーンが活発に行われている茅ヶ崎ですが、まちなかでもゴミ拾いをしている人たちがいます。8月最終の日曜日の朝、茅ヶ崎駅周辺で大きな袋を持ってクリーン活動をしている若者たちに同行してきました。
サザンの茅ヶ崎ライブに来た人に“いい街”と感じてほしい、自分が生まれ育った街だから
彼らは湘南美化クラブというグループで、この日は21歳から26歳の7人が集まって1時間半ほど茅ヶ崎駅周辺でゴミを拾いました。普段はJR東海道線より北側の住宅地でゴミ拾いをすることが多いという湘南美化クラブのメンバー。 この日は、茅ヶ崎駅周辺のどんなところにゴミが多いかを把握するために駅周辺で活動しました。
茅ヶ崎では9月27日から10月2日にかけてサザンオールスターズの「茅ヶ崎ライブ2023」が開催され、全国から多くの人が来訪することとなります。「サザンの茅ヶ崎ライブに来る人に、茅ヶ崎ってきれいなまちだなと思ってほしい。生まれ育ったまちだから」と代表の小川さん。サザンオールスターズの茅ヶ崎ライブに合わせてのクリーン活動も予定されているそうです。
マイクロプラスチックと同じように細かくなってしまっているゴミが街中にも
「駅周辺は思ったよりゴミが少なけど、飲食店周辺にはたばこの吸殻が、コインパーキングの隅にはペットボトルや空き缶、燃えるゴミが多い」といった特徴もあるようです。「特に南口周辺は缶やペットボトルなどの飲み物のゴミが多かった」との声も。
ゴミは道路の真ん中に落ちているのではなく、公共空間と私空間の境界付近の管理の目が行き届きにくい場所に多く溜まっていました。「コロナの感染がひどかった頃はマスクや、喫煙所が閉鎖されていたからたばこの吸い殻が多かった。たばこの吸殻などは早く拾わないと、雨に降られて細かくなってしまい、拾いにくくなってしまう」とのこと。海で問題となっているマイクロプラスチックと同じような現象がまちなかでも発生しているようです。
ゆる~いつながりが継続のポイントか
湘南美化クラブは代表の小川紋永さんが同級生3人と2年前に始めた活動。会則や会費、定例の活動日があるわけではなく、ゆるーくつながりながら、月1回、3人以上集まれそうな日を調整して活動しているそう。 コアメンバーはいつも、それ以外にも友達や後輩に声をかけながら集まっていて、この日も初参加のメンバーが3人。「友達から声をかけられたので、気軽にやってみようかなと思って参加した」そうです。
小川さん曰く「若い人がやっていると人の目に留まりやすく、見かけた人にゴミを捨てちゃいけないなという気持ちを持ってもらいやすいのではないか。参加する本人への啓発も含めて、意識的に若い人を誘っている」とのこと。確かにこの日も、道を通るおばあさん、自転車に乗った親子連れなど、たくさんの人に「おはようございます!」や「頑張って」と声を掛けられていました。
いくつものグループの重層的な活動でまちがクリーンに
この日の夕方、SNSを見ていると別のグループも湘南美化クラブの前に茅ヶ崎駅周辺のゴミ拾いをやっていた投稿がありました。海岸では、様々な団体がビーチクリーンをして、ビーチのきれいさが保たれていますが、街なかでも一つのグループだけでなく、いくつものグループのクリーン活動が重なり合って、きれいなまちが維持されているようです。