月1回のクリーン活動
ごみの不法投棄が多発している小出地区の美しい里山を取り戻そうと、市内在住のミュージシャンと若手農業従事者、NPO団体が立ち上がり、6月から月1回の「里山クリーン活動」がスタートしました。
今回、旗振り役となったのは、シンガー・ソングライターのCaravanさんと、不耕起栽培を行う八一農園、NPO団体「ふるさとファーマーズ」の3者。それぞれ市内北部エリアで、野菜や米作り、農業体験、マルシェ開催など、幅広い活動を展開してきました。
コロナ禍を機に、八一農園の衣川晃さんとともに、米作りに取り組むようになったCaravanさん。「それまで茅ヶ崎の北部にこんな美しい風景が広がっていることは知らなかった。当時はライブ活動もできず、つらい時期だったけれど、田んぼでは健やかに稲が育ち、いつも変わらない風が吹いていて救われました」と振り返ります。
一方で不法投棄された家具や大型家電を目の当たりにすることも多く、「こんな美しい里山にわざわざごみを捨てに来る行為への理不尽さと切なさも感じて、自分たちで何かできないかと」。思いを同じくするふるさとファーマーズの石井雅俊さんと話し合いを重ね、3者で里山クリーンを実施することになりました。
ごみ有料化で1・5倍に
市環境事業センターによると、2022年度の市内の不法投棄件数は181件。21年度の115件と比べて約1・5倍(66件増)で、昨年4月から始まった「ごみ有料化」が影響しているものと考えられます。中でも、人通りや街灯が少ない小出地区は59件と、全体の3分の1を占めるほか、鶴嶺東地区でも西久保の新湘南バイパス下で不法投棄が相次いでいます。
里山クリーンのキックオフとなる6月3日には、約20人が参加。タバコやペットボトルをはじめ、肥料袋や園芸用の黒ポットなどの農業ごみを回収しました。また、ゴルフバックやベッドの不法投棄が見られ、環境事業センターへ通報を行った。石井さんは「農作物を作る場所にごみが捨てられていることが悲しい。まずは不法投棄の現状を多くの人に知ってもらいたいです」と話します。
気軽に取り組める体制を
海岸では、かながわ海岸美化財団によるごみ袋の提供や拾ったごみの受け入れなどの仕組みが広く知られていますが、その他のエリアでのボランティア清掃については周知されていないのが現状です。市環境保全課へ事前に申請すれば、同類のサポートが受けられるが、「もっとスマートにできるシステムが出来るまで活動できたら」と、Caravanさん。
活動は、毎月第1日曜の午後2時から1時間。集合場所は里山公園北駐車場(BBQエリア)。次回は7月2日(日)。参加希望者はふるさとファーマーズ【メール】furusatofarmers@gmail.comへ。