藤沢市内を歩いて市の魅力を再発見し、ついでに健康になってしまおう!という一挙両得な企画「ウォーキングコース、記者が実際に歩いてみた」の第2弾「村岡縦貫コース」を歩いてみました。
村岡縦貫コースは、健康づくり普及推進団体「健康ふじさわ」や藤沢市保健医療財団、藤沢市健康づくり課が発行する『絆ではぐくむ歴史のまち村岡 健康づくりウオーキングマップふじさわ』に掲載されています。
<マップのPDFはこちら>
まず、村岡ってどんな地区なの?
村岡は、横浜市と鎌倉市に隣接しており、弥勒寺や宮前、小塚、高谷、渡内、柄沢、村岡東、川名の町名で構成される地区です。2023年5月時点の藤沢市の発表によりますと、村岡地区には13,347世帯、32,139人が生活しています。近年のホットニュースといえば、2022年3月28日に神奈川県、藤沢市、鎌倉市、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)が締結した「東海道本線大船・藤沢巻村岡新駅(仮称)設置及び自由通路整備に関する基本協定書」です。現状では、2022年~23年度にかけて詳細な設計を行い、2024年以降に施行協定を締結して工事に着手。2032年頃の開業が見込まれています。
そんな村岡の地名の由来は、丘陵と谷戸が連なる起伏に富んでいたことから「重なり合う岡の群れ」だとされています。約6000年前から人が住み始めたと推定され、川名の貝塚や御幣山の竪穴住居の遺跡が確認されています。12世紀末に源頼朝が鎌倉幕府を開くと、村岡は鎌倉へと向かう道筋に位置し、大変にぎわったそうです。現代では、神社仏閣や文化財などがあり、川名の新林公園は四季折々の表情を見せてくれます。
今回のコースは8カ所を巡ります
健康ふじさわ等の『絆ではぐくむ歴史のまち村岡 健康づくりウオーキングマップふじさわ』に掲載されている村岡縦貫コースは、村岡公民館からスタートし、村岡隧道や柄沢橋、大鋸外原公園、旧モーガン邸、遊行寺、藤沢橋などをめぐって村岡公民館へ戻ってくるコースです。距離にして約6㎞、約90分のコースです。村岡の地名の通り、アップダウンがありますのでご自身の体調に合わせてお楽しみください。
それでは早速、行ってみましょう!
スポット
1.村岡隧道
2.隆昌院
3.大鋸外原公園
4.遊行寺
5.藤沢市ふじさわ宿交流館
6.遊行寺橋
7.藤沢橋
8.舩玉神社
1.村岡隧道
村岡隧道(村岡トンネル)は、延長102.5mで車道幅は6.0m(全幅6.7m)のトンネルです。藤沢市が管理する4つのトンネル(大庭トンネル(上り)、大庭トンネル(下り)、村岡人道トンネル)の中では最も歴史が古く、カラーテレビが始まった1960(昭和35年)に竣工しました。当初は車道のみでしたが、1983(昭和58)年に村岡人道トンネルが竣工したことで、車道と歩行者が分離した現在の姿となりました。(参考:藤沢市『藤沢市トンネル長寿命化修繕計画』2017年3月策定)
藤沢市では現在、自転車も歩行者も安全な運転・歩行を整備する「藤沢市自転車草稿空間のあり方」をまとめており、2022年度の取り組みでは自転車の走りやすい空間づくりのために「自転車走行空間」を整備。青色の矢印で走行レーンを示しています。
住所:藤沢市大鋸1
2.隆昌院
隆昌院は、通称「柄沢の鬼子母神」と呼ばれ、1703年に開山しました。本堂が大破したこともありましたが、1863年に再建されています。現在に至るまで子どもの守護神として子宝成就や安産成就、育成祈願、虫封じ、命名、厄除けなどにご利益があるとして信仰を集めています。
本堂の前には、「祈願回向 一回一誦」と書かれた石のローラーが鎮座しており、これを一度回すとお経をすべて唱えたことになります。境内にはフジやサツキといった花々が植栽され、季節によってさまざまな表情を見せてくれます。
住所:藤沢市柄沢463
3.大鋸外原公園
大鋸外原公園(だいぎりとばらこうえん)を訪れると、珍しい遊具がありました。それは、電話型の遊具。地元の人からも「でんわ公園」と呼ばれ、親しまれています。電話の形状はレトロ感を感じるダイヤル式。内側はドーム状になっていて、まるで秘密基地のよう。最近はスマートフォンが主流となりダイヤル式の電話を見たことがない子どもたちも多いかと思いますが、それでも子どもたちはこの遊具の上でおしゃべりをしたり、登ったりして楽しそうに遊んでいる様子がありました。
住所:藤沢市大鋸1029-14
4.遊行寺
でんわ公園から県道30号に出て遊行寺坂を下っていくと、遊行寺と出合いました。正式名称は、藤澤山 無量光院 清浄光寺(とうたくさん むりょうこういん しょうじょうこうじ)。時宗の総本山です。当時、北条氏により禅宗が保護されていた鎌倉入りを断られた一遍上人が藤沢で藤沢へ引き返し、別寺念仏会、踊念仏を修したとされています。その後、遊行四代の呑海上人が遊行寺を開き、今に至ります。
境内には、2019年の台風19号で幹が折れてしまっても、なお枝葉を伸ばし続ける市天然記念物の「大イチョウ」が鎮座し、参拝客を受け入れています。
住所:藤沢市西富1-8-1
5.藤沢市ふじさわ宿交流館
遊行寺の参道をさらに下ると、「藤沢市ふじさわ宿交流館」がお目見え。藤沢宿とは、約400年前の江戸時代の東海道五十三次の6番目の宿場として栄えたエリアです。遊行寺坂の江戸方見付、伊勢山橋を越した辺りの京方見付の間に街道があり、御殿や本陣、問屋場、旅籠などの施設がありました。明治時代に入ると肥料の販売や農作物の保管販売の流通地区として栄え、さらに役場や警察、銀行が集積する官庁街としての側面もありました。
ふじさわ宿交流館では、こうした藤沢宿にまつわる歴史や文化を発信し、にぎわいを創出する場として展示会や講演、ワークショップが開かれています。中に入ると藤沢宿の模型と、当時の藤沢宿の様子を再現したシミュレーターがありました。
住所:藤沢市西富1-3-3
6.遊行寺橋
藤沢宿交流館から大通りに向かって進むと、遊行寺橋がありました。この橋はかつては大鋸橋と呼ばれており、旧東海道で境川を渡るために架けられました。江戸時代には大名行列も渡ったと伝えられており、この橋のすぐそばにはかつて江ノ島一ノ鳥居が置かれていたことから、江戸時代の浮世絵にはこの橋が頻出しています。現在の橋が架けられたのは1960年で、「かながわの橋100選」にも選ばれています。撮影した日はちょうど橋の塗り直しが終了した直後で、きれいな朱色の欄干と金色の擬宝珠に生まれ変わっていました。
住所:藤沢市藤沢1-1-35
7.藤沢橋
遊行寺橋から60mほどの場所に、また、橋が架かっています。こちらは藤沢橋。欄干には藤沢市の市の花「フジ」を模したレリーフが飾られ、さらに灯籠が設置されています。箱根駅伝のコースになっているため、年始の時には多くの見物客が集まり熱気に包まれます。
住所:藤沢市藤沢1
8.舩玉神社
藤沢橋を渡り、小道に入って川沿いを進むと舩玉神社(舟玉、船玉)が見えてきます。かつてこの地は、鎌倉幕府の三代目将軍の源実朝が宗に渡るための船の用材を切り出したところと伝えられており、乗船成就・海上守護の願いによって勧請されたといいます。
また、「大鋸」と呼ばれるこのあたりの地域は、かつて大きな縦引きのノコギリを扱う大鋸引きが多く住み、この職人衆が遊行寺の造営や小田原城の修築を行ったと伝えられています。
住所:藤沢市大鋸2-4-12
いかがでしたか?
取材は2023年5月4日に行ったので、実際に訪れる時には、事前に調べてから行ってみてくださいね。日常の中に「歩く」を取り入れて、楽しく健康づくりに励みましょう!
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