#檜洞丸登山 #森林セラピー #西丹沢ハイキング #丹沢湖カヌー #中川温泉。神奈川県の山北町は、アウトドアなキーワードが溢れるまち。中でも山や川が豊かな西丹沢エリアは、「知る人ぞ知る」絶景が潜んでいます。西丹沢でアウトドアな暮らしと仕事を満喫する2組の移住者を取材しました。 ※この情報は2020年7月17日現在のものです。
丹沢湖に一目惚れ。仲間とサップツアー起業/角原清志さん
丹沢湖無料駐車場にたなびく「SUP」の旗と青いキャンピングカー。ボードに乗り、パドルを漕いで水面を進む近年人気を集める新感覚の水上アクティビティ「SUP(サップ=Stand Up Paddleboard)」。そのサップを丹沢湖で広めようと、3人の若者が山北町に移住し、2020年6月、サップツアー会社『and LIF(アンドリフ)』をオープンしました。
代表の角原(かくはら)清志さんは、千葉県出身。「(夜中に出発し)朝目が覚めたらキャンプ場にいた、なんてことも」と振り返るほど、キャンプ大好きアウトドア一家に育ちました。アラスカでのラフティング(川下り)ガイドや埼玉県長瀞ではレイク(湖)SUPガイドとして経験を積むなど、国内外で水上アクティビティのプロとして活躍してきました。
手が付けられていない地を求めて
10年以上アウトドア業界に携わり、やがて「自分で会社を起こして、サップツアーをやりたい」。一念発起し、業界仲間の佐藤尚之さん、清水将太さんと起業を決意。「丹沢湖って所に行ってみない?」。秦野市出身の佐藤さんの提案で訪れたのが出合いでした。
サップツアー企業が乱立する地方都市や、サップで息を吹き替えした温泉町で仕事をしてきた角原さん。「だからこそ、まだ手が付けられていない土地でやりたい」との思いは強かったのです。
いざ訪れると衝撃が。サップにとっては規模が大きい丹沢湖は、アクティビティの幅も広がる。美しい丹沢山塊と富士山が見える絶景に温泉郷もある。「すべてのポテンシャルが揃っていて。ここにしようと即日決めました」。
東京からも約1時間半と近場。山北町内に店も充分ある。アクセスも不便で店もない様々な町を渡り歩いてきた角原さんは、「山北町は僕にとっては都会です。何もないと言う人もいるけれど、いやいや、たくさんあるんです」。知られていない町だからこそ、その秘められた可能性を全身で感じています。
一軒家で3人シェアハウス。川と山の絶景を望む家は、「本当に贅沢な暮らしです」。不便な点は「国道246号線の渋滞くらいです笑」。何より町の人々が温かい。「丹沢湖でサップ?いいよ」と拍子抜けするほど、快く駐車場を開放してくれた。田舎暮らしを始めたい人にとっては、絶好の町だと言います。
サップで丹沢の魅力伝える
丹沢湖の美しさとダイナミックな水上アクティビティを融合。西丹沢の自然や歴史の話をしながら、町の魅力と癒やしのサップツアーを強みにしていきます。「トンネルにある落書きも、ボランティア活動で消したいくらい。丹沢湖に着くまでのわくわくした気持ちを嫌にさせたくない」。丹沢湖になびく新しい風。夢をのせた青いキャンピングカーは、走り出したばかりです。
自分らしく居られる西丹沢/東海林真純さん
萌ゆる緑と沢の音が響く西丹沢。「毎日飽きることがないです」と話すのは、2015年に横浜から移住した東海林真純(しょうじますみ)さん。看護師の傍ら、森を巡りながら健康増進や病の予防につなげる「森林セラピー®」の山北町森のおもてなしガイドとして活躍。さらに、西丹沢登山の玄関口である「西丹沢ビジターセンター」のスタッフの顔も持ち、幅広い分野で活動しています。
リセットできる環境
訪問看護会社を運営していた移住前の生活は、24時間365日携帯電話3台が手放せず。いつどこで呼び出し音が鳴るかわからない暮らしに、いつしか「このままではダメになる」。自身と向き合いました。
きっかけは、友人との会食でふと目にした山北町の酒蔵で作られた地酒『丹沢山』のラベル。「山北町って、どんな所なんだろうね?」。その文字に導かれるように山北町へ。「定住イベントに参加をして、その1カ月後には移住していました」。標高540mの職場・西丹沢ビジターセンター周辺は、電波がつながらないスポットも。「一度リセットできるこの環境が良いんです」。
山北町内の自宅から西丹沢まで車で45分。「森の中のドライブ通勤は毎日の楽しみ」。キャンプ場もたくさんあり、「夜遅くなるとテント張って泊まっていきな、と言われて。急遽ソロキャンプも笑」。自然と調和するかのように、自分の居場所が増えていきます。
町域の9割が丹沢山塊に覆われた自然豊かな特性を生かし、全国的にも珍しく町の健康福祉事業として森林セラピーが盛んな山北町。移住した年にその事業の存在を知った東海林さんは「これだ」と、町のガイド認定を取得。さらに、日本と米国での看護師経験がある東海林さんは、将来メンタルヘルスケアとして活用されることを目指し、2018年に「Forest Edge」を設立。西丹沢エリアを中心に、森林セラピスト(森林健康指導士)として活躍しています。
移住当時、心身ともに極限状態であった東海林さんにとっても山北町の森林セラピーは、運命と言っても過言ではない出合いでした。
わずか2時間で人間本来の「五感」が戻ってくる効果があるのだとか。「西丹沢には小田急線沿線の人がよく訪れます。近すぎて知らなかった!というリアクションが新鮮。ありのままの自然を神奈川で触れ合える西丹沢の魅力をもっとPRしたいです」。
元気な今こそ動きたい
コロナをきっかけに、職場中心の生活スタイルが見直される今日。「首都圏へのアクセスも良い、山北町のような神奈川の地方暮らしはおすすめだと思います。自然体験、散策、ドライブ。西丹沢に遊びに来てください」と大歓迎の東海林さん。
「定年後にやりたいことをやるために毎日頑張る人も多い。でも、定年を迎えたら元気でいられるかどうかなんてわからない。だったら今、元気なうちにやろうって」。西丹沢で見つけた居場所。今日も“私らしく”あり続けます。
この記事に出てきたスポット
あわせて読みたい記事
子育て世帯向け
山北町には、町営の子育て世帯向け定住促進マンション「サンライズやまきた」があります。入居募集状況などはこちらでチェック。