茅ヶ崎市赤羽根在住 村上美紀(むらかみ・みき)さん
8歳と3歳のかわいい姉妹と、北海道生まれの夫との4人家族。「M-cherie(エムシェリー)」という屋号で、ハンドメイドのアクセサリーショップを主宰。子育てを優先しつつ、アクセサリーはマルシェやWebショップで販売中。
アウトドア好きの家族が選んだ海と里山の魅力を楽しめる「茅ヶ崎」
藤沢市辻堂がご出身の美紀さんは、結婚を機に隣町の茅ヶ崎に引っ越してきた。
茅ヶ崎を選んだ大きな理由は二つある。海が近いこと、そして実家にも近いことだ。茅ヶ崎市のなかでも赤羽根を選んだのは、夫だった。小・中学校が近くて、将来的に子どもたちにとっても安心・安全な暮らしができると考えてのことだった。
「主人は北海道生まれで、サーフィンや釣りのアウトドアを楽しむタイプです。私の希望で、海が近くて、学校や実家にも通わせやすいところがいいと話すとここの土地を見つけてきてくれました」と話す。
現在お住まいのエリアは美紀さんの条件を満たすだけでなく、里山公園や市民の森など茅ヶ崎の山の魅力も味わえる絶好のポイントだという。
「私自身は、‟玄関から30秒でビーチ“という環境で育っていたため、子どもをすぐに海に連れていけないことに戸惑った時期もありました。海は遊び場にもなるし、見るだけでふっと息抜きができるから。でも、今はすごくこのエリアを気に入っています。里山公園や市民の森では四季折々の移り変わりが感じられて、海とは違った魅力に気がつきました」
海の暮らし、そして里山の暮らしの両方を楽しめる「茅ヶ崎」。この暮らしを満喫し、人とのつながりが持てるようになったのは、自作のハンドメイドアクセサリーがきっかけになっているという。
「私」のために作り始めたハンドメイドアクセサリー
美紀さんは、長女が生後9か月になった頃からハンドメイドアクセサリーの制作を始めた。
かつてスワロフスキーの装飾品を作る会社で働いていた美紀さんは、何かをつくることが大好き。
妊娠をきっかけに会社は辞めたものの、出産して子育てを始めると、会社員時代のように制作に没頭できる時間や、社会とつながる大切さを痛感するようになっていった。
「一人のときは、気ままに過ごす時間が好きだったんですけど、小さな子どもがいると息つく間もなくて。でも、自分がやりたいことをやりたいままにできる、誰にも遮られない自分だけの時間が必要でした」という。「君たちがいたから、ママが辛かったという意味じゃないから、安心してね」と子どもたちの目を見ながら、子どもの気持ちをサポートする優しい言葉も付け加えて。
美紀さんは、自身のハンドメイドショップに「M-cherie(エムシェリー)」とショップ名をつけた。「M」は美紀の名前から頭文字をとって。「cherie」は「大切なもの」という意味だ。
何気ない毎日でもアクセサリーは付け替えるだけで気分転換になる。日々のスパイスにぴったりのカラフルで大ぶりなアクセサリーは存在感がたっぷり。作品を眺めているだけで元気がでるデザインだ。
作品は、サーフボードのフィンの素材と同じ樹脂素材を使って制作されている。
発色がよく大ぶりなデザインが特徴。
子どもたちのおもちゃ用のアクセサリーも美紀さんの作品。
写真中央のどんぐりのモチーフは、里山公園から拾ってきたどんぐりで型を作って、樹脂を流し込んだ。カラフルでかわいいアクセサリーは、子どもたちのままごとにも大人気!
マルシェでつながる、茅ヶ崎のママたち・子どもたちの輪
アクセサリーの販売場所を探していると、場所を提供しているママたちと知り合いになった。最初はアクセサリー作家として「販売してもらう立場」と「販売する立場」の付きあいだったが、次第にマルシェ運営の「主催側」として手伝うようになっていった。
「マルシェをしていると、子育てに一生懸命に取り組んでいるお母さんたちが、どうやって時間を捻出してこんなにクオリティが高いものをつくるんだろう?と感心することがしょっちゅう。ほかの地域でハンドメイドをしている方には、ハンドメイド作家の人口の多さや、販売する場所がインターネット以外にあることがうらやましいと言われますね」
マルシェを主催するようになると、ハンドメイドの共通の趣味でつながる仲間が増えて、徐々に地域とのつながりができていった。
次第に深まるのはママたちの絆だけではなかった。ママたちのコミュニティは、子どもたちの学校以外の居場所としても一役買っている。
アクセサリー作家やマルシェ運営者の子どもたちが「未就学児~小学生」ということもわかって、一緒に遊んだり、休日に出かけたりすることも増える。顔を合わせるごとに子どもたち同士も仲良くなっていくのは自然なことだった。
「もしも学校でトラブルがあったとしても、それ以外のコミュニティがあることは子どもにとっても心のよりどころですよね」
ちなみに、美紀さんが加わったコミュニティでは、「子育ての楽しさ・大変さを共有できる仲間づくりの提供」が目的の一つにあったという。
「ハンドメイドだったり、ネイルやマッサージだったり、やっていることはそれぞれ違いますが、みんなのライフスタイルは似ています。子どもが幼稚園へ通うまでは、マルシェを運営するときも子どもと一緒に行動するのが当たり前ですので時間的制約もあります。でも、みんなと一緒だから辛くないし、逆にそういう状況も楽しくて頑張ろうって思えるんですよ」
こうやって、仲間たちと挑戦したマルシェが成功することで、充実感のある毎日を過ごせているという。
大人も子どもも、全力で面白がるまちがここにある
「この前はママと子どもたちだけで柳島キャンプ場で一泊してきました。茅ヶ崎市内のキャンプ場なので近いですし、宿泊棟もあるので、母子で行きやすいから“やってみよう・行ってみよう”って話になって。ちょっと思い切ったことも“面白い!”ってできちゃうのが茅ヶ崎のママたちのつながりです」
ママたちのコミュニティができ、子ども同士がつながって、次第にパパたちも加わり、家族ぐるみの付き合いへと変化している。
「少し前は6家族でキャンプへ行って、思いっきり遊んできました。パパたちが全力で子どもと遊んでくれるのが助かります」
茅ヶ崎に住む人たちが生き生きと暮らす理由は、もしかしたらどんなことにもポジティブに面白がるという空気が根付いているからなのかもしれない。
最後に「茅ヶ崎は、仕事や学校だけじゃなくて、それ以外の趣味や自分の時間を全力で楽しんでいる人が多いような気がします」と話す美紀さん。美紀さんの活動や、子どもたちとの接し方を見ていると、「全力」というキーワードがとても美しく響いて聞こえてきた。
子育ても、マルシェの取り組みにも、ポジティブに向き合う大人たちの背中は子どもたちにはどのように映っているのだろうか?きっと、子どもたちも一緒に楽しんでいるに違いない!
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