南区役所はNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で注目を集める鎌倉時代にゆかりのある区内寺社の情報を3月末から区サイト内で公開している。「広報よこはま」でも特集コーナーを設けるなど、鎌倉と南区の関わりを紹介。区役所は「歴史を知り、区内散歩の参考にしてもらえれば」と期待する。
「鎌倉殿の13人」は、小栗旬さんが演じる北条義時を主人公に、平安時代末期から鎌倉時代初期までを描いた物語。県内自治体では、ドラマの舞台となる鎌倉市が大々的なPRを行い、誘客に結び付けようとしている。横浜市内でも鎌倉幕府を開いた源頼朝に関係が深い場所が多くある金沢区や頼朝に信頼された武将で、最後は鶴ケ峰付近で討ち死にしたとされる畠山重忠に関係する旭区がリーフレットやマップの作成、パネル展示を行うなどしている。
北条政子関係の寺も
その中、南区内にもドラマの登場人物や鎌倉時代にゆかりのある寺や神社があることから、区役所がそれらを紹介するページをサイト内に設けることにした。
「南区で鎌倉時代を旅しよう」とのテーマを掲げ、源頼朝が幕府の祈願所とした横浜最古の寺院「弘明寺」や幕府を開く際、鎌倉の鬼門にあたる横浜の地の鎮護のために建てた一つとされる大岡の「若宮八幡宮」、頼朝の夫人である北条政子が建立したと伝えられる井土ケ谷上町の「乗蓮寺」を写真とともに紹介している。これらの寺社を区職員が訪れ、取材時に見聞きした情報も「こぼれ話」として掲載。弘明寺の本堂内部に保存されている奈良時代に使われていた瓦などを写真入りで説明している。
広報よこはま南区版の4月号では、弘明寺、若宮八幡宮を紹介。5月号では乗蓮寺と近隣の見どころを紹介予定だという。3つの寺社の情報は、主に区外からの来街者向けの区発行のガイドマップにも掲載。商店街や大岡川プロムナードとともに南区の観光資源として位置付けている。
南区役所区政推進課は「南区には歴史を感じるスポットが多くある。ゆかりの地や近隣をめぐる散歩の参考にもしてほしい」と呼び掛ける。問い合わせは【電話】045・341・1112。