神奈川県にある人口1万人ほどの町、松田町。どこに行っても人がたくさんいて、何をするにも便利な施設がいっぱいあって、明かりが消えることがないまちを「都会」とするならば、ここは間違いなくその対極にある「田舎」ということになるでしょう。それでも静かな暮らしやあふれる自然など「都会」にはない魅力もいっぱい。さらに、2024年度から松田町への移住者を支援する制度もスタート。ビルではなく、木々が立ち並ぶ「ゆとりある田舎暮らしのススメ」、女性記者が松田町定住少子化担当室にインタビューしてきました!
2つの顔を持つまち
東名高速道路「大井松田IC」を出ると、そこはもう松田町。順調に車が進めば東京ICからは約40分。電車なら小児IC運賃がとってもリーズナブルな小田急線の「新松田駅」があり、新宿まで急行で約1時間20分、同じく町田から約45分ほどの好立地です。
交通網でいえば、このほかJR御殿場線「松田駅」、国道246号、同255号が通り、アクセスの良さは特筆すべきところ。鉄道2駅の 1 日当たり乗降客数は町の人口の およそ3 倍で、神奈川県⻄部の交通の要所と言っていいでしょう。
町の中心的な機能の多くは市街地である「松田地区」に集中していて、町の南部に位置します。一方、西丹沢山系の山間部にあるのが「寄(やどりき)地区」。それぞれの良さが合わさり松田町が作られているのです。
人口減のペース早い寄(やどりき)地区
松田町の2024年3月1日時点の人口は10272人。地方都市に総じて言えることですが、松田町でも人口減少・少子高齢化対策は最重要課題の一つ。 現在のペースが続けば、将来的に地域コミュニティの維持が難しくなることも想定されます。
とりわけ寄地区は、2000年から年から2020年にかけての20年間で人口が2727人から1805人へ約33・8%減少しており、対策はまったなし。そこで予算化されたのが、寄地域の移住奨励金でした。内容は対象者に世帯あたり50万円、小学生以下の子どもがいる場合は1人あたり30万円加算するというもの。町では15世帯の利用を見込んでいます。
まずは、この地を知ってほしい
フィッシング、山歩き、キャンプ、運動場、ロウバイ、しだれ桜…。「一度、寄を訪れてもらえば、そこに流れる空気や時間、ならではの雰囲気に魅力を感じてもらえる方は少なくないと思っています」と町職員。オンラインでもリアルでも移住相談は随時受け付けており、寄地区に同行して現地を案内したり、先輩移住者らとの懇談の場をセッティングしたりとサポートも手厚い。「ここだけにしかない魅力があることは自信持って言えますが、移住検討者の考えやニーズはさまざま。私たちとしては、まず松田町の寄地区を知ってもらうことが第一歩だと思っています」
魅力は高まるばかり
ちょうどいい田舎であることだけが売りかといえば、そうでもありません。今後、寄地区では小学校舎の大規模改修や幼稚園の改修も進んでいきます。また、運動広場は人工芝にすることで機能面の強化を図り、スポーツツーリズムを推進。子どもや女性、更にはシニアの方が利用するスポーツ活動・健康づくりの拠点となっていきます。
交通面では、AI技術を活用したオンデマンドバス「のるーと足柄」が運行されており、移動にも便利に使うことができます。「奨励金があるからぜひ田舎に!」というおすすめではなく、「これからもっと良くなる寄はいかが?」という提案だということがよくわかりました。
After finishing the interview
寄エリアで取材中に横浜との二拠点生活をしているという会社員の男性に出会いました。普段は横浜で便利な暮らしをしているそうですが、老後の過ごし方を考えたとき、田舎暮らしに興味を持ったということでした。数ある候補地の中で、寄を選んだ決め手はアクセスの良さと自然豊かなこと。近所とのほどよい距離感も心地よいそうで、休みになると松田へ一直線とのこと。最近では「松田での人の輪も広がってきた」と笑顔でした。
移住、と考えるとそれぞれ譲れない条件などはあると思います。失敗しないためにも現地を何度も訪れてそこで暮らすイメージを描いたり、移住後の下地を作っておくのが良いのかもしれません。そんなとき、この松田町の定住少子化担当室の存在はとても頼りになるな、という印象です。どの市町村も移住や定住には力を入れていますので熱心ですが「寄、すぐにでもいきましょうか?」なんて気軽に投げかけてくれるフットワークの軽さと寄り添う姿勢がウレシイんですよね。
インタビュー動画はこちら
「寄地域」で活動しています!
移動は「のるーと足柄」が便利
松田町のコト、紹介しています!