- 神奈川県秦野市では、「株式会社山と溪谷社」が提供する登山やハイキング記念のデジタルスタンプを収集するアプリ『YAMASTA』(ヤマスタ)を活用したスタンプラリーを2024年4月20日(土)~2024年12月19日(木)
まで開催します。ここでは全5コース中の「蓑毛(みのげ)里山ウォーク」を紹介します。
蓑毛里山ウォークはこんなトコ!
さらに詳しく!スポットをチェック
蓑毛里山ウォーク
コース:秦野駅出発-曽屋水道記念公園-くずはの家-田原ふるさと公園-緑水庵-蓑毛大日堂到着
- レベル:★★☆
- 歩行時間(目安):2時間25分
- 歩行距離:約7.8km
のどかな里山の風景を横目に、のんびり散策するならこのコース!前半は、まち歩きをしながら歴史散策、中盤は森林セラピーロード、後半は古民家や水車小屋など“ふるさとの風景”が待ち受ける充実のコース。蓑毛エリアからは長い登り坂が続きますので、こまめに休憩をとりながら巡りましょう。
<見どころ&分岐点を紹介>
小田急線「秦野駅北口」から出発です。
秦野市を語る上で欠かせない「水」。階段を下りると左側に湧水スポットがあります。秦野市内各地に湧水スポットが点在していますが、まずは早速駅前で「秦野名水」を身近に感じてみましょう。
神奈川県唯一である秦野盆地の地下全域は、丹沢山地から流れてくる雨水や盆地内の雨水を貯める“天然の水がめ”になっていると言われています。2016年3月に行われた環境省の「名水百選」選抜総選挙では、ペットボトルウォーター『おいしい秦野の水~丹沢の雫~』が「おいしさが素晴らしい名水部門」で日本一を受賞しました。
湧水スポットを楽しんだら、駅前の「まほろば大橋」を渡り、「水無川」上流へ歩くこと約5〜6分。「月島寿司」が目印の交差点「秦野橋北側」を右折し、古き良き商店街でまち歩きを楽しみましょう!
歩くこと約10分。地元では「よつかど」の呼び名で親しまれている交差点「本町四ツ角」を左折します。かつて「日本三大葉タバコの産地」として栄えた歴史が残る秦野。この「本町四ツ角」交差点は、葉タバコの出荷をする人たちが行列をなしていたスポットでした。
曽屋水道記念公園
「本町四ツ角」交差点から約15分。前方に“水を司る神様”をまつる「曾屋神社」(そやじんじゃ)のこんもりとした杜が見えてきます。その左側に、最初のチェックインポイントである「曽屋水道記念公園」があります。
大正期の「配水池」「ポンプ室」、昭和期の「配水池」など、秦野の水道の歴史を垣間見ることができる貴重なスポットです。
秦野の水道は、明治23年3月に横浜、函館に次いで全国で3番目に完成しました。
横浜や函館は、国策に基づき建設された施設だった一方、この曽屋水道は、水道の必要性の認識から計画の策定、施工、資金調達など住民の力で給水が開始。陶管を使用した簡易水道として整備されたのは、曽屋水道が全国初でした。2017年には、近代水道施設として全国で初めて国の登録記念物(遺跡関係)に登録されています。
水道の歴史を学んだ後は、2番目のチェックインポイント「くずはの家」へ!曽屋水道記念公園からは、徒歩約10分で到着です。
曽屋水道記念公園を背に道なりに歩きますが、途中から右脇道へ。緑色の看板「くずはの家」が目印です。
「くずはの家」
美しい森の中にログハウスが佇む「くずはの家」は、秦野近郊で見られる草木が植栽され、四季折々の美しい草花を観察することができる自然観察施設。秦野の住宅地に息づく、まさに“自然の宝庫”です。
「どんぐり山」や「ほたるの里」、「くすのき広場」など、計12の広場や観察路が楽しめます。
四季を通じて自然の花や昆虫がいるので、夏休みの自由研究にも一役!
くずはのつり橋
思いっきり秦野の美味しい空気を吸いましょう!ここは癒し効果のある森林セラピーロード。中でも丹沢に源流をもつ葛葉川がつくりだした「くずは峡谷」を望む「くずはのつり橋」は、特に人気スポットです。
神奈川県内の失われゆく緑地の保存に取り組む「かながわのナショナル・トラスト」の第1号に指定された「くずは峡谷」の眺望をご堪能あれ!
葛葉の森で心身ともにリフレッシュしたら、次なるチェックインポイント「田原ふるさと公園」へ。ここから歩いて約23分です。「くずはの家」を出ると、住宅街に出ます。
道なりに歩いてきたら、このポイントを左折します。
道なりに進んだら、この交差点を矢印の狭い道路に進みます。横断する道路は交通量が多く、見通しが良くないので、注意しましょう。
この分かれ道は、右へ進み、ぐんぐん道なりに歩いていきます。
ここはまっすぐ進みます。
のどかな里山や丹沢の風景を見ながら、のんびり歩いていきましょう。田原ふるさと公園まで、あともう少しです。
田原ふるさと公園
田原ふるさと公園に到着です。2階建ての「ふるさと伝承館」には、地場産野菜が買える農産物直売所やそば処「東雲」、漬物加工施設が入っています。 また、そば粉を製粉するための水車小屋があり、のどかな農村風景とマッチしたフォトジェニックな風景が楽しめます。
毎年9月には、目の前の田んぼで「かかし祭り」が開催され、個性光る作品が登場します。お昼を食べるも良し。
源実朝公御首塚(みなもとのさねともこうみしるしづか)
NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のゆかりの地。ふるさと公園の北側の道路を挟んで向かい側にあります。
「田原ふるさと公園」や「源実朝公御首塚」を後にしたら矢印の方向へ。突き当りを左に進み、広い道路に出たら右へ進みます。
「田原ふるさと公園」を出て、交差点「秦野市立東公民館」を左折し、道なりに進みます。
この坂を登りきると、丹沢表尾根縦走の拠点「ヤビツ峠」へとつながる「県道70号線」に出ます。ここから「緑水庵」までは、約13分です。
この「蓑毛」は、近世中期以降、大山参詣道の終点の一つとして親しまれていた地域です。道路中央には、鳥居があります。
いよいよ道は断続的な登り坂になるので、ブレイクタイムを取りながら進みましょう。なお、バスや車、自転車も多く通る道でありながら車道はとても狭いので、周りをよく見て注意して進みましょう!
緑水庵
ついに「緑水庵」入口であり、シンボルでもある水車小屋が見えてきました。農業が盛んな秦野市は、かつて各地に水車が多くあったそうです。民俗資料や学校の教材として利用できるようにと、 1988年に「緑水庵」のシンボルとして建設されました。
敷地内に入ると、1930年に建てられた芦川家を移築した古民家があります。秦野市の産業を支えた「葉タバコ栽培農家」だった芦川家の当時の暮らしの様子が随所に見てとれる貴重な住宅。2020年4月には国登録有形文化財(建造物)に登録されました。
秋のお月見会や紅葉の季節には、地元有志によりライトアップとイベントが行われています。なお、建物の裏側には、「蓑毛自然観察の森」への入り口があります。入園無料です。
桜ともみじのワクワク広場へ
緑水庵を出たら坂を上っていき、100メートルほど上ったら左へ。
最終地点である寺院「蓑毛大日堂」までは、森林セラピーロードに認定されている「桜ともみじのワクワク広場」を通って行きましょう。その名の通り、春は桜を、秋は紅葉が楽しめる蓑毛の注目スポットです。
里山の景色を楽しみながら、ぐんぐん進んでいきましょう。
可愛らしい手作りの標識をたよりに「ワクワク広場」へ進みます。ここからあと150m。
地域住民の手により再生された「桜ともみじのワクワク広場」に到着です。「一年を通して気持ちがワクワクするような広場を目指しています」という一文から、地域の皆さんの思いが伝わってきますね。
春は日本の原風景とも言えるような、ふるさとの景色が広がります。まるで絵本の世界です。
開花時期が異なる品種の“桜リレー”が繰り広げられる散策道です。神奈川県立フラワーセンター大船植物園に原木がある、鎌倉生まれの玉縄桜、おかめ桜、河津桜といった早咲きの桜から(例年3月中旬から開花)、ヨウコウ桜やソメイヨシノ、八重桜が楽しめます(例年4月中・下旬頃まで)。
ぜひ、春と秋に訪れてみたい、ワクワク広場です。さて、細い道を抜けていよいよ最後のチェックインポイント「大日堂」へ。
「大日堂150m」と書かれた標識。もうすぐです!
蓑毛大日堂
大山詣りなど山岳信仰の拠点となった蓑毛大日堂。大日堂は1729年に建てられ、不動堂、仁王門などとともに国登録有形文化財(建造物)となっています。毎月第一日曜日に一般公開されており、ハイキング後にゆっくり仏像鑑賞も楽しめます。
閻魔詣
「8月16日には地獄の蓋が開き、閻魔様が地獄を留守にする」ー。毎年8月16日には、閻魔詣が開催されてきました(※2020年は残念ながら中止)。その言い伝えから、延命長寿の功徳を求め、昔はお盆になると、閻魔大王の木像が安置される蓑毛大日堂は、参拝者で賑わったと言います。
大日堂からの帰りは、バス停「蓑毛」から秦野駅行バス「秦20」に乗ると便利。秦野駅までの乗車時間は約22分です。各駅周辺のお店など立ち寄りスポットは、以下特設ページ「はだのにぎわい商店街」でチェック!
なお、「ヤマスタ」の缶バッジや認定証の交換場所は、秦野市内の各駅にある駅連絡所です。秦野駅は北口ペデストリアンデッキ直結のポレスター秦野駅前3階にあります。