町を知り、好きになって
自治体は、そこで暮らすたくさんの人の支え合いによって成り立っているといっても過言ではないでしょう。だからこそ、今ある町を将来にわたり残していくには、地域活動や町の地域活性化を担う人材確保がカギです。
しかし、高齢化に伴う人口減少や担い手不足は全国的な課題であり、どの自治体もその対策に躍起です。各種補助など条件面で差をつけることが容易ではない中、まずは町を知ってもらい、好きになってもらうなど、「町と多様に関わる人」を増やしていくことが第一歩なのです。町に来る人が増えれば、住民との交流も広がり、新たな動きが生まれるかもしれません。
4本のショートムービーが完成
未来を変えるのに特効薬はありません。そこで、あらゆる手段の中の一つとして今回町は、若者目線の情報発信に取り組むことに。ミッションは町を代表する観光地の「西平畑公園に人を呼べ」。
高校生・大学生が集まり、SNSでの情報拡散を視野に配信にちょうどいいショートムービーの制作に挑戦。講師の指導の下、『動画とは?』に始まり、絵コンテや字コンテ、ロケハン、編集などを学びながら進めてきました。迎えた発表会です!
この想い、みんなに届け
松田町の本山博幸町長ら出席のもと、チームごとに制作した動画を披露。コンセプトやこだわりのポイントなど、動画に込めた自分たちの想いをそれぞれの言葉で伝えました。会場には新聞やテレビなどの取材陣も複数。うれしい反面、緊張も高まった様子の参加者たち。それでも、町長の前で発表し取材陣の質問に答える―、日常生活では得難い経験に目は輝いていました。
この経験が宝物
動画自体は、まだまだ工夫の余地があったかもしれません。しかし、町のことを真剣に考える松田町職員らと協力して一つのモノを作り上げるという経験は、きっと彼らの宝物。将来、この町で得たこうした経験も「今の自分を作っている要素の一つなのかもしれない」と気付いた時、町を愛することにつながっていくことでしょう。
役立つ知識、自分のモノに
大学生は、動画の編集もある程度経験があったようです。それでも、ワークショップを通して知ったことも多かったと振り返ります。講師は「伝えたことをすぐに自分のものに変えていく柔軟性はさすが。それは、いろいろな分野で役立つはず」と話していました。
workshop participant list
全日程を終えた「松田町プロモーション動画制作ワークショップ」。成果物として4本の動画をカタチにすることができましたが、加えて「松田町」をきっかけに、町を想う新たな人のつながりを作ることができたと思います。
発表会ということで、最後は講師と参加者たちの記念写真とともに完成動画をご紹介。数日間ですっかり打ち解けた仲間たちの和気あいあいとした雰囲気を伝えられるようにノリノリでお願いしてみました!
(1)公園に設置された双眼鏡を中心に一人称視点でまとめた高校生チーム!
(2)新しい公園の使い方を提案しながら「青春」を描いた高校生チーム
(3)公園にある魅力的なモノやコトをランキング形式でまとめた大学生チーム
(4)公園のSLの車窓から眺めているような世界を表現した大学生チーム
事業を振り返ってもらいました
本事業の担当町職員と高校生チームと講師
事業を担当した町職員の米山愛莉さん:「高校生、大学生が真剣に町のことを考えながら作ってくれているのが伝わってきて、とてもうれしかったです」
ワークショップ講師の大津崇志さん:「知識や技術の吸収スピードにいつも驚いていました。これを機に動画にもっと親しみ、松田町をPRしてほしい」
東海大学教養学部人間環境学科の岩本泰教授
ワークショップにも参加した岩本教授:「交流人口や関係人口、さらに移住・定住人口を増やしていくためには、異なる価値観や文化等を温かく受け入れる多様性・包摂性の視点が大切。今回は、松田町の地域課題を解決しようとするパートナーとして高校生・大学生が参加し、一つの試みがなされたことは大きな成果だと思う」
松田町の本山博幸町長
完成した動画を見た本山町長:「大人は決まった型、枠組みの中でのみ考えてしまうことがある。今回、若者の視点で新たな魅力を発見してくださったことは大変参考になりました。『松田町のためにできることを』と参加してくれた皆さんの存在も大変うれしく、事業としてもよかったと思います」
松田といえば、登山が最高!
都心からあっという間に着く田舎
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